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愛靴の思い出

ずっと愛用していた靴がいい加減くたびれてしまって、そろそろお別れの時が近付いている。MERRELLのスリッポンタイプの靴。履きやすくて歩きやすくてデザインも可愛い。おそらく人生最高に気に入っていた靴のひとつだった。かれこれ2年くらい愛用するうちにすっかり靴底がすり減って、もはや小石を踏んでも痛いくらいになってしまった。これでは靴の用を成していない。流石に捨てねばならないが、別れを寂しく思ってなかなか捨てられずにいる。

『人生最高に気に入っていた靴』かぁ……と、これまでの歴代愛用靴に思いを馳せる。元来あまりお洒落に気を遣わぬ人間であったが、MERRELLというメーカーの靴は随分前から気に入ってたびたび愛用していた。おそらくMERRELLのフラッグシップ的な商品であるジャングルモックという靴が好きだった。元々靴紐のある靴があまり好きではなくて、靴紐のない靴で、何ぞ可愛くて履きやすいのがないかなと思っていた時に見つけた靴だった。最初に買ったのはまだ学生の頃だったろうか。シンプルで洗練されたデザイン、履き心地の良さ。1万円そこそこで買えるお手頃価格。もう俺は一生この靴でいいやとまで思った記憶がある。ジャングルモックのアレンジ版で色々なモックがあるのも愛用していた。麻で出来たヘンプモックも可愛くてお気に入りだったけど、これは雨が降るとびしゃびしゃで台無しになってしまうのが難点だった。今回冒頭で出したお気に入りもモックシリーズで、ハットモックという靴のひとつだったらしいのは今日調べて初めて知った。

靴紐のあるタイプだと、オニツカタイガーの靴もお気に入りだった。映画『キル・ビル』でトラックスーツ姿のユマ・サーマンが履いていたことでもお馴染みの黄色と黒のデザイン。貧乏芸人としてはちょっといいお値段なのだが、ちょっと背伸びをして買った。これも愛用していたのだが仕事に履いて行った時についた変な汚れが残ってしまって、それ以来二軍落ちになってしまった。とても後悔している。ドラゴンベアードというメーカーの和柄のスニーカーも歴代最高に好きだった靴のひとつだ。いくつかあった実店舗がなくなってメーカー自体なくなったのだと思っていたけどどうやらまだ存続しているらしい。またひとつ買ってみてもいいなと思う。ドラゴンベアードは履き心地がよくて気に入って、金魚柄の靴も買ったっけ。履き心地と言えば中学の時の学校指定のスニーカーは異様に履き心地が良くて、当時どこに行くにも履いていたような気がする。ちょっとした形の差なんだろうけど不思議なものだなと思う。

靴。それなりにいいお値段の買い物だからそれなりに吟味してから買うし、一度買うとそれなりの期間履くことになる。それなりに履くうちにいつの間にか愛着も湧いて、でも消耗品だからいつか別れることになる。折々に履いた折々の靴たち。たまにはこうやって思い出してあげるのも悪くないですね。

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