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ご褒美の歴史

誕生日やクリスマスなどの記念日、何か大きな仕事が終わったあと、自分へのご褒美として自分で自分にちょっとしたものを買うことがある。ご褒美の内容も年齢やライフスタイルと共に変わってきたよなぁ…と思う。

自分へのご褒美とは、つまりは自分が貰って嬉しいものである。僕にとってそれはずっと、ゲームとか漫画とかアニメとか映画とかだった。テストを頑張ったからゲームを買う、バイトを頑張ったから漫画を買う、舞台が終わったからアニメのグッズを買う、連勤を乗り切ったから映画のDVDを買う。おそらく学生の頃から、30代そこそこまでずっとそうしてきた。

まず変わったのは、遊ぶゲームが変わったことだと思う。据え置き型のゲームからスマホゲームに以降することで、『ゲームを買う』という選択肢がひとつ消えた。おそらく自分へのご褒美で買った最後のゲームは発売すぐだった誕生日に買ったニンテンドーSwitch LITEだったと思う。一緒に買ったのはゼルダの伝説ブレスオブザワイルドだった(そういえば続編のディアーズオブザキングダムはまだクリアしてないや)。そこからスマホゲームに移行して以来、自分へのご褒美にと課金してガチャを回す……みたいな方向にシフトしてしまった。

漫画は紙の単行本で買う時代からアプリで読むようになり、映画はソフトを買わずともサブスク配信で観られるようになり、思えば僕の『ご褒美』の多くはスマホの普及に伴うデジタル化への移行によってその特別性を失った感がある。加えて、僕自身が歳を重ねたことも大きい。今でも変わらず子供っぽいままなところも多いが、それでもようやく世の真っ当な大人が自分へのご褒美にするような投資をご褒美だと認識出来るようになってきた。ふらりと小旅行に行くとか、いい上着を買うとか、そういうことだ。

昨日、公演を終えた自分へのご褒美も兼ねて靴を買いに行った。友人が奨めてくれた可愛いメーカーの小さな直売店。狭いスペースに1人だけの店員さんとゆっくりお話をしながら、いくつか試させてもらって納得したかわいくて履き心地もよくて、ちょっとだけいいお値段の靴を買った。いい買い物をすると、ちょっとだけ背筋が伸びたような気持ちになるものだ。これからもこうやって適度に自分を甘やかせるように、折々の自分にちょうどいいご褒美を模索していきたいなと思っている。

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