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めなもみのようなもの

PUFFYを初めて見たのは確かNHKの音楽番組『ポップジャム』だったと思う。ジーパンにTシャツでふらふらしながら『アジアの純真』を歌う2人の姿を見て、何でこいつらはこんなにもやる気なさげなんだ!こんなやつらは絶対に売れないと思った。その後のPUFFYのブレイクはご存知の通り。自分の目利きのなさに悲しくなったものだ。

毎回外れるわけではない。ブレイクを予見したこともある。アニメ『忍たま乱太郎』が放映され始めたばかりの頃。エンディング曲だった『ダンシング・ジャンク』という曲がとてもいいなと思った。特にメインボーカルの声がいい。シングルCDを買ったが、カップリングだった『レインボー・ムーン』という曲もとても良かった。歌っていたのはスーパーモンキーズ4というユニット。『レインボー・ムーン』の方はメインボーカルの子のソロ曲だった。のちの安室奈美恵である。後に安室ちゃんがソロで音楽番組に出ているのを初めて見た時は、「スーパーモンキーズ4」の子やんけ!と驚いたものだ。

音楽やお笑い、声優や俳優業、スポーツにおいてもそうだろうか?こんなふうに、「俺はあの頃から光るものを感じていたんだ」という青田買いの楽しさがある。時に僕のPUFFYのように大ハズレしてしまうことももちろんあるが、それでも良さに気づけなかった悔しさよりも予想を超えてくれた嬉しさの方が強いのは不思議なものだ。高校野球を見る楽しさもこういう所にあるのかなと思うと少し共感出来なくもない。

……と、ここまで書いて、なんだか箸にも棒にもかからない駄文を書いてしまったなとひとりごつ。毎日書くということを続けてはいるものの、こんな駄文を書くことになんの意味があるのだ?と。そんなことを考えているとふと、『徒然草』のめなもみの段を思い出した。「めなもみという草があるよ。マムシにかまれた時にはこれを揉んで塗ると治るよ。いざという時のために知っておくといいよ」というだけの、たった3文の段である。いくらつれづれなるままに書くと言ってもあまりにもつれづれ過ぎるだろとツッコミを入れたくなるような、そんな駄文。でもこれでいいのだ。偉大な先輩の偉大なつれづれに勇気をもらって、僕はPUFFYとスーパーモンキーズ4の段をここに残しておくことにさせてもらいます。

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