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百年の恋も冷める

『好き』という気持ちが冷める時、それは大抵自分でも気づかないくらいのゆっくりとしたスピードで起こるものだ。

情熱や執着が少しずつ少しずつなくなってゆく。寝ても醒めてもそのことばかり考えていた時間が、ゆっくりとそうでなくなってゆく。ほんの些細なことで天に舞いあがるくらい喜んだり、地獄に叩き落とされるくらい落ち込んだりしていた感情のジェットコースターが、だんだんと平坦な道になってゆく。あれ?前ほど好きじゃなくなってるかもしれない…そう思った時には時すでに遅し。好きという気持ちはもう冷めてしまっていて、そこにはもう新しい好きが割り込んできていたりするのだ。

あんなに情熱的に好きだったのに、あんなにも執着していたのに、あんなにも寝ても醒めてもそのことばかり考えていたのに、あんなにも些細なことで一喜一憂していたのに……。自分が変わってしまうというのは時に怖いことだ。あんなにも好きだった感情がなくなるという変化を受け入れるのは、なかなかに難しい。でも人は常に変わりゆくもので、それは好きという感情についても例外ではないのだ。寂しいな悲しいなと思いながらも、それを受け入れなければならないのだ。百年の恋も冷めるという言葉がある。劇的なきっかけで冷める時に使われる表現だが、百年の恋が冷める時も、五十年かけてゆっくりと冷めていくことの方が多いのではないだろうか。永遠の愛を信じたい我々にとっては寂しいことだが、それは仕方のないことなのだ。

そんなわけで、あんなに好きだったFate/Grand Orderへの熱がすっかり冷めてしまって、最近はすっかりログイン勢に成り下がっています。寂しいものですね……。

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