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キモいおじさん

44歳独身男性である。一般的に見て自分がどれくらい、『キモいおじさん』なのだろうと考える。

キモいとは何だろう?おじさんがそうなる要素とは何だろう?と、まずは前提条件を整えたい。デブ、ハゲ、臭い、エロい、清潔感がない、面白くない、距離感がおかしい……とまあパッと思いつくのはそんなところだろうか。見た目(デブ、ハゲ、清潔感がない、臭い)と言動(エロい、面白くない、距離感がおかしい)の両面に分けられそうだ。

どれくらいキモいかということは、つまりはキモいにもグラデーションがあるということだ。その段階設定も考えてみよう。隣に座られるだけで無理、話し掛けられたくない、出来れば関わりたくない、仕事上の関係とかならまあいいけどプライベートでは御免だ、友達にはなれる、恋愛対象としては有り得ない……考えるだけでも身につまされる気持ちになる。

一般的に見て自分がどの条件を満たしていて、どのキモいに当てはまるのかを考えるのか……自分で言い出したことだというのに途方に暮れてしまう。何とつらく、なんと烏滸がましい行為なのだろう。どの前提条件に該当するかを選択するのは全部つらいし、例えば清潔感はあるだろうなどと何かの条件から自分を除外するのは全部烏滸がましい。どれくらいキモいのかに関してもそうだ。自分はこれくらいだろうと浅い位置に置くのは烏滸がましいし、自分なんてこんなものだろうと酷い位置に置くのは、僕と関係してくれている人たちに対してとても失礼だ。

世界は複雑で、『一般的』だなんて価値観は存在しない。自分も誰かにとっては隣に座られるだけで不快な存在だし、こっちを見ているだけで嫌な気持ちになる存在だし、恋愛対象としてなんて到底考えられない存在だ。でも誰かにとってはそうではない。一般的には誰にとっても『キモいおじさん』になり得る存在なのだということを自覚しつつ、なるべくそうならないように気をつけて生きていくしかないのだろうな。結論を明言せずに先送りにするという卑怯でキモいやり方で、今日のところはとりあえずお茶を濁しておくことにしようと思います。

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