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空と海が交じる?

ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』は、もう20年近く前のヒット曲だが、つい先日ふとした瞬間に、

夢で逢えるだけでよかったのに
愛されたいと願ってしまった世界が表情を変えた

という歌詞の一節がズドンと腑に落ちて刺さった。愛されたいってなった瞬間に世界が変わってしまう…あるよね〜!分かる!あの感じめっちゃしんどいよね!大共感である。しかしそこが刺さった分、その続きの『世の果てでは空と海が交じる』というフレーズの意味の分からなさが際立った。空と海が交じる?何やそれ?どういうこと?全く分からないぞ…??である。

でもまあこういう風に、共感性の高い歌詞の中にポコッと分かりづらいフレーズが織り込まれているのはとても詩的だし、手法のひとつとしてよくあるような気がする。『うっせえわ』連呼からの『あなたが思うより健康です』なんかもこの手法と言えるかもしれない…と、いろいろな歌の歌詞について考えていると、あるひとつの歌が思い当たった。僕が子供の頃教育テレビで放送されていた『はたらくひとたち』という番組のテーマソングである。

しごとごとごと 見ているうちに
はたらくひとに なりたくて
なりたいな なれるかな なりたいけれど たりないな
歳も力もたりないな でも今なりたい
まわれよ地球 はたらくひとに なりたいな

『まわれよ地球』!!急にどうした!?である。これほど唐突に、あまりにも前後の歌詞とかけ離れたフレーズが短く的確に挿入されて世界観を表現している詩はそうそうないんじゃないだろうか?『はたらくひとたち』ももう30年以上前の番組だが、僕はこの歌詞の見事さに感服したのでありました。

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