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「夢を翻訳して実現しようとするための方法を見つける責任がある」

すべての人々が、それぞれの夢を翻訳して実現しようとするための方法を見つける責任がある。

――トマス・サラセーノ
(アルゼンチン出身のアーティスト・建築家)

夢の実現……
なかなかに重い言葉ですね。小学校低学年の頃には、気軽に語れていたはずの夢が、いつからか人生の重荷のように感じられてくる。もしかすると、年々、その重みが増していくという人もいるかもしれません。
ところが、今日の言葉は少し響きが違います。「夢」と「実現」の間に「翻訳」という言葉が入っているのです。
「翻訳」というのは、みなさん知っているように、異なる言語の間で、意味を極力変えずに文章を置き換えることを言います。だとすれば、「夢」と「実現」の間にあるのは、超えられない壁でも、才能や努力でもなく、単なる意味的な置き換えということになるのでしょうか。
「夢」を「dream」に、「実現」を「realize」に置き換えるように、「夢」を「実現」に置き換える……。
「夢」の形のままでは、他の人には伝わりません。だから「実現」して見えるようにする、それだけのことです。そう考えると、確かに多くの「夢」は「実現」して初めて意味を持つものばかりです。みんな、「夢」のことを重々しく考えすぎている気がします。だって、未来の自分にとって、それは単なる通過点でしかないのですから。

ただ、そうすると、最後にある「責任」という言葉が気に掛ります。これは、何を言おうとしているのでしょう。
例えば、アメリカで周囲の人に自分の意志を伝えるには、自分の考えを翻訳する必要があります。もしも、適切な言葉や表現を知らなければ、身振り手振りでどうにか自分の意志を翻訳しようとします。もちろん相手の協力も大切ですが、自分が理解してもらおうと努力することが第一です。
「責任」というのは、そういう意味ではないでしょうか。
最初はほんの少しでもいいので、「夢」を見える形に「翻訳」してみる。コミュニケーションの時にも、いきなり全てが伝わるなんてことはありえません。「夢」も同じです。少しずつ「実現」して、周囲に伝わっていくのです。すると、やがてその「夢」は自分だけのものではなくなります。周りにいる人たちが「夢」の「実現」に手を貸してくれるようになります。
「翻訳」された「夢」が繋ぐ人の輪をイメージして、肩の力を抜いていきましょう。

Photo by Zoltan Tasi on Unsplash

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