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「自分の持っているものの本当の価値を知るために」

自分の持っているものが何なのか、自分でもわからないことがある。
時には、自分の持っているものの本当の価値を知るために、ほんの少し社会的な化学反応が必要なこともあるんだ。

――ウェイン・ホワイト
(アメリカのアーティスト)

突然ですが、みなさん知ってのとおり、僕はネガティブ思考です。
大阪にいた頃はこんなではなかったのですが、川崎に引っ越してきた小5辺りから鬱々とし始め、思春期への本格的な突入と共にその傾向に拍車がかかったと記憶しています。
ただ、ネガティブだからといって、消極的かというとそんなことはありません。僕のネガティブ思考は、ある意味では周到さに結びついていて、こんな僕が積極的に動くためには欠くことのできない要素です。
――なんて書き方をすると、まるで僕が優秀な人物であるかのように見えますが、実際のところ、こんな風に自分のネガティブ思考を肯定的に捉えられるようになったのは、大学に入ってからです。新しい友人との出会いが、僕の考え方を変えてくれたのです。

僕の性質は、全体的にこんな感じです。
「ひどい人見知り」を「会話ができないのではなく、相手の話をしっかり聞きたいのだ」と読み替えて、「聞き上手」に変えてみたり、
「ここぞという時の押しが弱い」を「相手の立場や考え方に対する想像力がたくましい」と読み替えて、「共感力が高い」に変えてみたり、
「過去に見たもの読んだものを覚えていない」を「何でも原型を残さずに自分の血肉にして吸収してしまえる」と読み替えて、ジャンルを横断した創作活動につなげてみたり――
物は言いよう考えよう。自分の性質は、どんな風に使うかによって、足かせにも武器にもなるということです。
ただし、どれ一つとして、自分だけで切り替えられたものはありません。僕の価値は、ネガティブ思考に染まった僕自身よりも、周りの人の方がよく分かってくれました。
そういう意味で、今の僕の生き方を作ってくれたのは、間違いなく僕がこれまで出会った人たちです。

だから、僕は君たちに言い続けます。
君たちが、自分の欠点だと、短所だと思っている部分は、使い方を間違っているだけで、楽しく生きていくための武器にもなるのだ、と。
だから、自分の短所をしっかりと見つめましょう。反省するためじゃありませんよ。短所をなくすためでもありませんよ。だって、その短所は、「ほんの少し」の「社会的な化学反応」で長所に変わってしまうのですから。きちんと磨いて、その時を待ちましょう。

Photo by Science in HD on Unsplash

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