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理不尽と現実


どうもリュウジです。



今日は真面目な話をしていこうかな。



自分を語る上でどうしても切り離せないコト。



サッカー怪我についての話をしていきたいと思います。



高校生まで怪我なんて自分とは無縁と思っていた自分と



18歳に突き付けられた現実の話。



あまりほかの人に話す機会もなかったけど



今の自分がどうやって形成されたのか大きなウエイトをしめた



出来事だったと今までを振り返って思います。



少し長くなりますがその話をしていきます。





高校サッカー

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自分の高校サッカーを振り返り。

1年生の時には全国大会にも連れて行ってもらえて
当時怖い先輩たちに揉まれながら成長できたと思います。

理不尽なこともありましたが、今思えばそれは自分のためになって
今にも活きる大切な経験
だったと思います。
(もちろん理不尽がいいというわけではないです。笑)


その中でも当時のキャプテン(2つ上)の先輩は
とても理不尽で、自分も生意気な時だったので
目をつけられていて挨拶も返してもらえない半年をすごしました。
インターハイで試合にメンバーとして秋田に行き、
地獄のような宿舎での一発芸無茶ぶりなどを経て
徐々に認めてもらった(?)のかはわかりませんが
話をしてくれるまでになりました。
その後、同じ大学に進み、サッカーこそする機会はなかったですが
今でも仲良くしてもらっているし、本当に人として大好きな先輩です。


自分が3年生となって、インターハイ前に捻挫をして
2週間程離脱した以外は、大きな怪我もなく高校サッカーの集大成
高校サッカー選手権大会に臨んでいました。



準決勝VS東海大三


都市大塩尻高校では、自分が3年の時は1,2年にいい選手が多く
監督も後輩たちを高く評価していました。
(僕らが卒業後、選手権2連覇を成し遂げています。

そのため僕らの代でこの準決勝スタメンに入っていたのはわずか2人
キャプテンの太一と副キャプテンの自分のみ)

だからこそより緊張して臨んだこの一戦。そして聖地アルウィンでの試合

出られない3年生の気持ちを自分も、太一も背負ってピッチに立ちました。


準決勝VS東海大三




実はこのカード、2つ上の先輩たちが長野県を制覇したときの
決勝のカードだったのです。因縁の相手。
(また東海大三高校には後に同じ大学でチームメイトになる選手もいました。)


キックオフしてすぐの出来事でした。


前半15分が経った頃。相手選手と接触し転倒。


なんてことない接触でしたが、僕は地面に倒れて立ち上がれませんでした。





この接触が、すべてでした。そして高校サッカーは突然終わりを告げました。




止まらない時計


僕は転倒後もピッチに戻りました。
正確にはテーピングをがちがちに巻いてもらって
トレーナーに痛みはないと嘘をついて。

いや、アドレナリンがでてたからでしょうか、本当にいけると思ってました

でも足が動かないんです。痛いとか、そういう次元じゃなくて。


体が動かない。


僕の真横をボールが通っても反応ができないんです。
その間にもチームは何度もピンチを迎えました。

悔しさよりも、チームのために早く交代しなければ。いつか失点する

そう思い、そしてピッチを後にしました。
夢にまで見た選手権でした。
緊張感、それからプレッシャー、
みんなの思い、応援練習をしてくれた後輩、親、中学校の頃の恩師

色んなものがピッチから離れたら浮かびました。


でも試合は続いているんです。ぐっと堪えました。





試合は2-0で勝利し、都市大塩尻は決勝に進みます。


でも僕は試合の後、喜ぶ間もなく病院へ行きました。



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左膝前十字靭帯断裂


歩くのもままならない状態で、信州大学付属病院へ行き
診察してもらった結果は


左膝前十字靭帯断裂、半月板損傷でした。


僕は聞きました。


『膝がどうなってもいいので、来週の決勝戦に出ることは可能ですか?』


先生

【半月板がぐちゃぐちゃになって、もう元には戻らなくなるよ。だからよく考えてみて。年を取った時、歩くのもままならなくなるリスクをとるほど大事な試合なのかどうかを】


病院をでて、寮の担当の先生が迎えに来てくれるまで、1時間くらいあったので近くの川までいってすぐお父さんに電話しました。


『前十字靭帯の断裂と言われた。半月板も損傷してるって、、、。でも来週の決勝にはどうしても出たい。いいかな?』



この先サッカーはどうするつもり?たった1試合のために、この短い時間のためにこの先のサッカー人生をなくしてもいいのかよく考えるように。自分でちゃんと考えて答えを出しなさい。


正直、どうしていいかわかりませんでした。
だって、来週の決勝のために3年間やってきたようなものです。

いや、もっと言えば中学の頃からずっと憧れて、頑張ってきました。

高校1年の頃はただのラッキーでメンバーにいれてもらえただけで
自分は何もしていないし、でも目の前にそのチャンスがあるんです。
でも自分は試合に出られません。どうしたって無理なんです。

川辺で1時間ずっと涙が止まりませんでした。
いくら考えても、自分の中で答えは見つかりませんでした。



指をなくした先生の話


川辺で1時間、泣き続けたのでもう疲れ果ててぼーっとしていた時に
寮の先生が迎えに来ました。

先生に、前十字靭帯断裂で決勝は厳しいという話をしました。

先生は僕を慰めるわけでもなく、優しい表情でこう言いました。


【悔しいか~。悔しいよな。でもな、人生にはこういうことが起こるんだよ。だからくよくよしても仕方ないよな。お前はよく頑張ったと思う。】


そう聞いた瞬間、また涙が止まらなくなりました。
先生はその様子を察したのか、先生自身の話をしてくれました。


【俺もな、若いころはよく無茶をして、山を登っていたんだよ。色んな山に挑んでいたな~。でな、海外までいって山登りしていた時、ひどい吹雪で、指が凍傷になってな。そのころはまだ医療も発達してなくて、とりあえず急いで下山して帰国したけど、指が腐っちゃって切り落とさないといけなかったんだ。その時がたしか20~21歳くらいの頃かな。若かったし、まだ色んな山に挑みたい。そんな気持ちだった。けど指を切り落とすしかなかったんだよ。20歳の時にそんな決断、できないよな。】

その話を聞いているうちに、自分の涙は止まっていました。

3年間で、初めてそのエピソードを聞きました。先輩にも聞いたことなかったし、きっと話したことのほうが少ないだろう話を僕にしてくれたんです。


なんて自分はちっぽけなんだろうと思いました。


まだサッカーが出来なくなった訳じゃない。治らない怪我じゃない。


こんな言い方をしていいのかわかりませんが、もっと辛い思いをしてる人が


世の中にはいる。自分が、この怪我が世界で一番不幸だ。そんな風に


思うのは、失礼なことだと思いました。


そしてお父さんに言われた

【自分でちゃんと考えて答えを出しなさい。】


寮につく頃には僕の中で答えはでていました。



決断


夜、お父さんに連絡し、自分の答えを伝えました。
あまりいい返事ではなかったことを覚えています。

次の日、監督のところに行き、こう伝えました。


『決勝戦はみんなに任せます。全国にもし出られるチャンスがあるならそこまでにはなんとかします。』


手術をするかどうかは、決勝の結果で決めることにしました。


手術をすれば、1年弱は復帰ができません。だからこそ慎重になりました。


決勝の相手は松商学園


都市大塩尻とは反対に、3年生のみで構成されたチームでした。



結果は1-3 惜しくも準優勝でした。

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自分の3年間の高校サッカーは試合に出ることなく、終わりを迎えました。


もちろん、悔しかった。
自分がピッチに立って勝てればそれが最高でした。
でもみんなに託したから。その結果は、運命だとおもって受け入れました。


でも本当は、全国に出て、3年生が試合に出れるチャンスを増やして
もっと長くこのチームでサッカーをしていたいと、心から思いました。

そう思えるチームメイト、高校に入れたことを心から誇りに思っています。

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理不尽と現実



18歳のころの自分には、とても理不尽でつらい現実でした


先輩の理不尽なんて、理不尽だけどまだマシでした。


そう言えるのも最後に一番つらいことがあったからで。


きっと適当に3年間を過ごしていたらこんなに悔しくなかったと思います。


これが自分の人生に大きな影響を与えた、前十字靭帯のお話です


最後に。


中学生のころの恩師、上沼コーチ

僕の背番号入りの横断幕を作ってきてくれました。

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そして宮下監督はこんな言葉をくれました。


【怪我をしたことは必然です。運が悪い訳ではない。
サッカーの神様がここで燃え尽きてはだめだ って言っているんだよ。】


自分は24歳になりました。今でもサッカーは大好きです。


どれだけいい指導者、人に巡り合えるかは運だと思うし自分の決断によって大きく変わっていきます。


僕は良い人に巡り合えたからこそ、この歳になってもサッカーが好きで
いまもサッカーに携わっています。


だからこそ、このnoteをみた人は

誰かにいい影響を。誰かにとっての良い人になってほしいと強く思います。





もちろん自分がそうなれるように



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