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ヨット大航海 水平線のあっち側 その4

前回までは無事に太平洋の往復に成功して高知県の土佐清水港に入港したところまで書きました。

この記事では、境港までの回航をつらつらと書きたいと思います。
そして小笠原諸島編は今回の記事が最後になります。

土佐清水港に到着

5泊6日の水平線の旅が終わり早朝の日の出と共に高知県の土佐清水港に入りました。
ここは去年も来たのですが静かでいい所ですね。
お散歩している地元の人が気さくに話しかけてくれます。

ここで燃料と食料を補給します。

お昼ご飯は港の係留場所の真ん前にある
「カフェ のび太」さんで頂きました。

雰囲気の良いカフェ
とてもリーズナブル

とても美味しくリーズナブルな価格で助かります。
店員さんがとても気さくで、
ランチとコーヒーをいただいて
「ヨットで太平洋に行って境港に帰る」
と話していたら、やっぱり多くのヨットが入港するらしくよくヨットを見るとの事、
色々と話していたら、
もしよければゴミとかあれば引き取りますよ。
と言って頂きお言葉に甘えさせて頂きました。
長距離航海のヨットにとってゴミの処分は大問題なのでとても助かりました。

「手作りのところてんも作ってるののでぜひ」
と言われ言われるがままにお持ち帰り。
セーリングしながら食べましたがツルッと食べれて暑い中のセーリングに最高でした。

ヨットに理解がありとてもリーズナブルなので寄港した際にはぜひ立ち寄ってみてもらいたいです。

14時に銭湯がオープンしたので5日ぶりのお風呂にもうコレが最高の瞬間ですね。

そして朝に別府に到着する為に15時に土佐清水港を出発して別府に向かいました。

せっかく本州に到着したのに
一泊もせずに出航する笑
今日もオーバーナイトセーリング。
夜は風が冷たく快適でしたが瀬戸内海は船が多くすれ違いに気を使います。
太平洋は3日も船と遭遇する事はなかったのに。

別府湾を行く
海の色

朝起きると別府湾の中にいました。
海の色が緑で大雨の影響か海がかなり汚れていました。
予定通りマリーナの営業時間と同時の9時半頃に別府北浜のマリーナに到着しました。
目の前が別府の温泉街なので一度は来てみたかった場所でマリーナの時間をいっぱい使う為に朝に合わせてきました。

都会の綺麗なマリーナ

そのまま昼寝したりして街を歩いて昼ご飯を食べに行って温泉に入ってゆっくり過ごしました♪

翌朝早朝に別府を出発しました。
夕方には関門海峡に到着しました。

関門海峡は川

今回は来た時の失敗から学んで潮流の向きを調べました。
なんと追い潮7ノットでMAXは8ノット。
流れが早すぎてぐちゃぐちゃの海。
11ノットくらいのヨットではありえないスピードで進みます。
暗くなる前に関門海峡を越える事ができました。

日本海に出れば僕達の庭みたいなものだから、
みんな口をそろえてそう言っていた日本海までようやく帰ってきました。

そんな中
山口県の角島の手前でワッチ(監視役)を交代して1時間ほど寝た所で叩き起こされました。
コレが地獄の始まりとなりました笑

「風が上がったがツーポンに入れるぞ!
手伝ってくれ、雨が降ってるからカッパがいるぞ!」
眠たい目を擦りながらカッパを着ます。

状況を簡単に説明すると風が強くなったから帆の面積を一番小さい所まで小さくする作業をするよ。
とい意味です。

しかし、キャビンを出て驚愕しました。
大風・落雷・豪雨の大絶賛の大荒れじゃないですか笑
特に雷が凄すぎて近くに落ちる度にもはや笑えて来ます。
周りは何も見えず風速計は30ノットを超える風に30ノットと言えば15m/sくらいですかね。
セールを小さくしても追い風で11ノットくらいスピードが出ます。
ありえない体験でした。
セーリングのスピードがエンジンの能力を超えてエンジンが抵抗になって唸りをあげていたのでエンジンを停止。
こんな事が起こるんだと思いました。

10秒毎に海に落雷が落ちて落雷の影響かGPSが作動不良になって一回電源を落としたらそのまま立ち上がらなくなり御臨終しました笑

もうね、
映画で見る世界だね。と言いながら大雨の中を走ります。
本当に死ぬかもと思いました。

雷の中必死で作業します
ピカピカしすぎ
アカンやつや

朝方まで頑張って交代しました。
色々と考えて仕方ないので寝ます。
ほぼ徹夜だったので3時間仮眠すると雲を抜けた様で徐々に天候も回復していきました。
終われば良い経験でしたが二度とやりたくないですね。

急遽温泉津温泉に入りました。
ここまで帰ってくれば庭の様なものです。

大荒れが嘘の様な夕焼け

温泉に入ってGPSリセットしてを治しました。
荒れて大変だったこともあり疲れていたのでゆっくり過ごせてよかった。

最後の朝

ここからは本当に走り慣れた道で追い風で天気も良く良いスピードで帰ります。

15時に長い長い航海を終えてホームポートに帰ってきました。
全部で1800マイル約3300kmの大航海が終わりました。

オーナーの
「僕達みたないな一般のヨットマンからしたら小笠原諸島に行くなんて事はちょっとした冒険だよ」
という言葉が蘇ります。

小笠原に行ってるヨットマンはたくさんいるし、
もっと遠い旅をしてる人も多くいると思います。

太平洋を漂って星空をみて大荒れの日本海もまた僕の知らない地球の一面を見せてくれた様な体験ばかりでした。

「たぶん僕は宇宙には行けないかな。
地球から出れないなら地球をもっと知りたい地球でもっと遊びたい。」
そう思ってアウトドアを始めた事を思い出しました。
まだまだ知らない事があるな。
旅に出ると知らない事が増えてもっと知りたくなる様な気がします。

さて次はどんな航海に出ようかな旅の終わりにそんな事を考えていました。

最後に長々と読んでくれた方、
本当にありがとうございました!

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