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2億3000万km先にも

鮮に煌めく趣の赤のヘマタイトが偶然に水晶に閉じ込められたヘマタイトインクォーツ。
ヘマタイトとは鉄鉱石の一種であり、その名前はヘモグロビンなどと同じ語源の
ギリシャ語「haima」(血)に由来しています。

人々が古くから健康に願いを込め、古代ローマでは戦場に向かう兵士たちが、
戦いの神であるマルスの加護が得られると信じて戦いの際に用いたそう。

因みにマルスが語源である火星(Mars)で近年、数十億年前に作られたと思われるヘマタイトが発見されたとのニュースもあり、宇宙をも跨ぐ様々な因果が面白いですね。

さて今回セレクトしたルースは鮮やかな赤色が大変美しい2ピース。
ヘマタイトインクォーツと言っても、赤味が鈍かったり結晶が小さかったり、また黒や茶色など沈んだ色合いのものが多いのですが、
今回のピースはヘマタイトの語源にふさわしい大変鮮やかな赤色を放つうえ、
はっきりした大きな結晶が花のような表情を持つ、とても魅力的なピースで一目惚れで手に入れたコレクションの一つ。

共に内包する、黒い針状のゲーサイトがヘマタイトに繋がり、
水晶の澄んだ空気の中佇む景色が、早朝に咲き誇る真紅のヒナゲシのようで大変美しい。

これから、これら2ピースをリングに仕立てます。
完成を楽しみにお待ちください。

日向 龍


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