自然が生み出す色彩豊かな色合いや、透明度の違い。 心踊る唯一無二のインクルージョン。 厚みやカットなどのプロポーション。 それら厳選したルースの個性を デザイナーや職人がじっくりと眺め、 ひとつひとつ見立てをし、 セッティング方法や貴金属のテクスチャー、 リングの腕幅や台座の厚みも 0.1mm単位で調整し誂えてゆきます。 そんな知識や経験、時間を積み重ね、 感覚や想いを込めて仕立て上げていくジュエリーたちを 「ようこそ」という歓迎の気持ちでショーケースに並べる瞬間は スタ
服であったり、髪型だったりお化粧だったり 時計やジュエリーなど、ファッションと言われるものは そのこだわりや好みはその人を表すものです。 表面のテクスチャーは、そんなジュエリーが着る服のような 品格を表すものと思い大事にしています。 貴金属は鏡のように完全に磨き切った美しさはありますが 光沢はいかに曇りなく鏡面になっているか、 しっかりひとつの答えがあり、隙がない仕上げです。 ただどうしても使うごとに小さな傷はつくものです。 ファッションであれば、きっちり整ったよさもあ
日本では古来より ” 紫水晶 “ の名で大切に扱われてきた、アメシスト。 2月の誕生石としても広く親しまれている宝石です。 アメシストと人との関わりは古く、紀元前3,000年頃の古代ギリシャまで遡り、 中世ヨーロッパでは、なんと酔い止めのお守りとしても愛されていたのだそう。 そんなアメシストと言えば、神秘的で高貴な印象を持つ、濃い紫色の石を 皆さんはイメージするのではないでしょうか。 今回デザイナーの平がセレクトした3ピースは、 まるで水滴のような高い透明度を持ち、ほの
2024年最初のマンスリーピース ”プラチナルチルクォーツ” 。 前回の投稿で制作スタッフが “ 緻密な織物 “ と表現したように その複雑な奥行きと、幾重にも重なるルチルの輝きは、 思いがけず長い時間見入ってしまう神秘的な魅力に溢れています。 またプラチナルチルクォーツは、 その白く輝くルチルがアンテナとなり、 様々な情報を呼び込むと言われているそうです。 今回は白く輝くルチルを引き立てるため、 リングアームはイエローゴールドで仕立て そのコントラストが美しく映えなが
観察は楽しいです。 ルーペや顕微鏡で拡大すると 細かなディティールがしっかりと捉えられ 当たり前のように肉眼とは違った景色が現れます。 このプラチナルチルクォーツの表情を 前回の投稿で”緻密な織物”と例えたように 密度高く規則的に内包物が折り重なり まさに光沢ある布のように、 角度を変えるたびに光を美しく反射させています。 クォーツは高温高圧の水に僅かに 溶け込んだ珪素が冷やされ結晶になったもので、 結晶の成長のスピードは1mm大きくなるのに おおよそ100年の時間を要す
今月のマンスリーピースは「プラチナルチルクォーツ」。 Ryuiアトリエでジュエリー制作に携わっている樺沢よりご紹介させていただきます。 プラチナルチルクォーツは、ブルッカイトという鉱物が 成長してできた繊細な線状のルチルが内包されており、 このルチルが美しい白金色をしているところから プラチナルチルと呼ばれています。 プラチナルチルクォーツの形成には、幾度かの地熱の 変化が必要になり、その条件をもつ鉱山が極一部に限られている為、今までご紹介してきたルチルクォーツの中でも
【 Ryui Monthly piece 】2023.11月 " Limonite in topaz ring " 11月の誕生石でもあるトパーズ。 今回セレクトしたルースは 大変透明度の高いトパーズに 結晶ができる段階で生まれた、 ディスロケーションと呼ばれる 針のように細い空洞を内包し そこに偶然にも鮮やかな赤色や黄色の ライモナイトが入り込んだ 様々な偶然が重なり出来上がった 美しく希少な3ピース。 リングの外周はディスロケーションを イメージし細かく線を重ねた
【 Ryui Monthly piece 】2023.11月 " Limonite in topaz ring " 今回のリングのアーム部分は、鋼でできた刃物で 凹凸の質感を刻みました。 表面の仕上げはジュエリーの印象を決める 大切な工程のひとつで、いくつか工程を重ねてみたり その強弱をつけたりなど、細かな違いで無数の仕上げ方があります。 デザイン案から仕上げの方向性は決めつつも 宝石の持つ印象やリングの形、ボリューム感、金属の種類など 実物を見ながら再度仕上げの見立
【 Ryui Monthly piece 】2023.11月 " Limonite in topaz ring " 11月の誕生石とされるトパーズは 今回ご紹介するクリアなものから ピンクやブルーのほか、瑞々しい橙色から黄色の インペリアル・トパーズと名のつくものまで 様々なカラーが存在します。 語源は諸説ありますが、 紅海の小さな島、古代ギリシャ名「Topazos(トパジオス)」を 語源とする説が有力で、 この島は深い霧が立ち込め発見されにくかったため ギリシャ語で
【 Ryui Monthly piece 】2023.10月 " Oregon sunstone ring " オレゴンサンストーンはアメリカのオレゴン州のみで 産出される特別なサンストーン。 長石をベースとした透明な鉱物の中に、極微細な銅の結晶片を内包し、 それら結晶片が光を反射することによりアベンチュレッセンスと呼ばれる光の効果が、 内側から光を放つような独特な輝きを持つ 幻想的な美しさに溢れる宝石です。 産出されるものの内、宝石になるクオリティの石は 1割程度と
【 Ryui Monthly piece 】2023.10月 " Oregon sunstone ring " スケッチは、密度の違いはあれど必ず毎回描きます。 デザインの決定はもう一人のデザイナーの平と共に確認し 互いに納得するところまで辿り着いたものだけを実際に制作するのですが、 スタートは宝石を眺めながら、どちらが心踊る想いを持ったか その実感の強さで提案者が決まります。 スケッチはその提案する側の プレゼンテーションの為にも必要なのですが、 実際に想い描いた
サンストーンとは、 ムーンストーンやラブラドライトと同じ長石をベースとし そこにアベンチュレッセンスと呼ばれる小さな金属の内包物が光を反射し 生まれる煌めきが幻想的な美しさを放つ宝石です。 今月の 「オレゴンサンストーン」はアメリカのオレゴン州のみで 産出される、中でも特別なサンストーン。 別名ラブラドライト・サンストーンとも呼ばれ、 クリアなラブラドライトに極微細な銅の結晶片を内包しており、 内側から光を放つような独特な輝きの美しさを放つのが特徴です。 産出されるものの
【 Ryui Monthly piece 】2023.9月 " Bicolor tourmaline earrings " どうしてこうなったんだろう、、 どういうふうに出来上がったんだろう、、と 宝石を手にとりじっくり観察する度、 そんな思いがよく頭をよぎります。 今回セレクトした宝石質のトルマリンの多くは マグマが固化していく過程に形成される鉱物の中に ぽっかり埋まったように産出するのですが、 どうしてマグマからこんな美しい宝石が生まれるのか、、 このバイカラー
【 Ryui Monthly piece 】2023.9月 " Bicolor tourmaline earrings " 自然が生み出した結晶の形をそのまま生かし 結晶の断面を研磨した今月のピース達。 1点ごとに形が微妙に違う原石に合わせ、 取り巻く地金もできるだけ繊細でありながら強度を持たせ、 光を取り込めるように側面に透かしを入れた、 小さい中にとても手の込んだこだわりのデザインです。 またプリミティブなルースに よりジュエリーらしさを加えたいと、 メレダイヤ
【 Ryui Monthly piece 】2023.9月 " bicolor tourmaline " 10月の誕生石、トルマリン。 和名では「電気石」と言われる通り、 熱を加えたり摩擦をかけられると帯電する性質があり、 宝石以外にも古く神聖な儀式や治療などに用いられてきたとされている 神秘的な宝石です。 また、別称 ”カメレオンジェム” とも呼ばれるほど 豊富なカラーバリエーションを誇り 今回セレクトしたバイカラーのほか 3つ以上の色が混在するものも存在します。
サファイアはコランダムという鉱物の中でも”赤色以外のもの全て”を指します。 (ちなみに赤いコランダムはルビーです) サファイアは結晶化する過程で極微量の含有物の違いによって色が変わり 他にもイエロー、オレンジ、グリーン、パープルなど様々な色の サファイアが存在します。 今回のバイカラーサファイアはそんな成分の構成が違う 2色のサファイアが偶然にも、きりりと界を分けつつ 一体となって結晶化された稀有なサファイア。 透明度も高く、色味や明るさのコントラストもはっきりしており