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光をつくる

【 Ryui Monthly piece 】2023.11月  " Limonite in topaz ring " 

今回のリングのアーム部分は、鋼でできた刃物で
凹凸の質感を刻みました。

表面の仕上げはジュエリーの印象を決める
大切な工程のひとつで、いくつか工程を重ねてみたり
その強弱をつけたりなど、細かな違いで無数の仕上げ方があります。
デザイン案から仕上げの方向性は決めつつも
宝石の持つ印象やリングの形、ボリューム感、金属の種類など
実物を見ながら再度仕上げの見立てをして施し
印象が違えば再度手を入れ、繊細に感覚を使い完成させます。

金属は磨いて光沢に仕上げるとキラキラと光ります。
光るというより、鏡のような平滑な面に
光が反射しキラキラと輝いて見えます。
マット仕上げにすると面の細かな凹凸に合わせ
光が拡散しふんわりと光を反射します。

そして光の反射は質感を認識させるだけではなく、
陰影などからそのものの形や、光の波長から色までも
光の反射で認識しています。

だから当たり前のように、ものはあれど
真っ暗闇だと何も見えません。

人が捉えられる紫外線と赤外線の間の
ほんのわずかな波長の幅の光、
それも反射した光を見ていて
実際にそのものをしっかり見ているようで、
実際はそのもの自体は見えていない。

そんなことをあれこれ考えながら
そうか、今私は光をつくっているんだなと
ニヤリとした気持ちで仕上げをしている。
その時の写真です。

日向  龍

 " Limonite in topaz ring "
11月24日(金) 12:00 -   西荻窪店 / オフィシャルサイトにて同時発売


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