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オーロラ研究のプロジェクトのこと

大体のことがfixしてきまして、見学に来られる学生さんたちへの事前情報としても、まとめて書いておくと便利なこともあり、何か書きます。

ポスドク時代に立体視に挑戦したオーロラ3Dプロジェクトを終えて、超巨大磁気嵐の実態を探るオーロラ4Dプロジェクトというのをやって、今はオーロラXプロジェクトというのをやっています。南極大陸に国際協力でカメラを多地点配置することで、火星オーロラとも似た極冠のオーロラを解明しようとする計画です。6年計画の2年目が過ぎようというところ。

オーストラリアの基地とフランス・イタリアの基地にカメラを置かせてもらえることになり、8月までに10台のカメラと複数のハウジングを「納品」しないといけないので、春はとにかくほぼこれ一本、しばらく集中的に自分を工場化していきます。お金もかかります。

10月・11月に夏隊員3名と越冬隊員1名を送り出します。夏隊のひとりはドームふじへ、ふたりは昭和基地へ。昭和基地のふたりは宇宙線観測のフルシステム化をやる。2月には自分がオーストラリアの基地へ。越冬隊員はミリ波による大気微量成分の研究。

オーロラXプロジェクト以外で、並行して進んでいる研究プロジェクトがどんな風かというと、オーロラ三昧で、まさに太陽活動の極大期という感じです。

オーロラを機械学習で高速に予測するエミュレーターのプロジェクトがあります。英国から一人ポスドクが来ます。

宇宙ステーション関連のプロジェクトがあります。今年はひとまず宇宙ステーション直下のオーロラを待ち伏せ観測するためにカナダに専用カメラを仕掛けます。東大での学生の研究指導でもあります。

デブリの共同研究プロジェクトもあります。秋のどこかでアラスカにデブリ観測用の望遠鏡を導入する「手伝い」をして、その望遠鏡でオーロラの微細構造を調べさせてもらう。自分で旅費の予算確保ができていないのと旅程の時間確保も厳しくなっているので、どう「手伝う」ことになるかを工夫します。

こういうことなので、国際会議とかは、もし出るとしても今年は全部リモートで済ませるしかないでしょう。逆に結構、海外から日本へ多く来てもらうことになりそうです。

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