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海のものとも山のものとも

海の日は過ぎ、山の日がやってきました。木曜が休み。リズムよく仕事をしたいので、ありがたくはないです。山の日って何だろう。

「ミッション」というのが宇宙の研究とかでは、よくあるパターンで、なぜだったか、それについて何か当たり前のことを書こうと思っていたのと、日本の自然科学系の論文に関するランキングが下がり続けていて、中国はトップになって、というニュースをみて、何か書こうと思ったのとで、何か書きます。

科学ミッションは、大仕掛けで、まさに使命、という感じがあります。書きながらいま私がイメージしているのは、人工衛星の大型ミッション。かぐやミッション!とか!はやぶさミッション!とか。超小型衛星ミッション、という言葉も、よく聴こえてくるので、実際のところ、いわゆるミッションの規模感よくわかっていませんが。たぶん、工学に理学が乗る感じのをミッション言ってるだけかな?

10年くらいはかけて、100人とか1000人でチームを組んで、100億円以上かけて衛星を作ってロケットで宇宙に打ち上げたりするのが、私のイメージするミッション。成功すれば、1000個以上論文が出ますし、どれだけ論文が引用されるかわかりません。

研究者は、そういうミッションに関わってもいいし、関わらなくてもいいのですが、だいたいミッションは、最先端の、多くの人から重要と認識されている何かをやるはずなので、集計されているようなトップ1%論文なんかは、数多く出てきます。ほかにも恩恵は大きいので、なにかしら関わる研究者は多いのでは。

ちなみに、トップ1%論文というのは、その業界で引用数が上位1%に入る論文のことを言います。

ミッションによっては、共著者が1000人とかの論文が1000本出ていたりするので、研究者の持つインパクトだとかは、なんだかよくわからないことになっていたりもします。

それから、優れた研究者というのは、ミッションと関わりあろうがなかろうが、とにかく、あちこちにランダムに、ごろごろいます。

たくさん主著論文を書く研究者は、トップ1%論文もたくさん書く、みたいなことも知られていて、また優れた論文はピラミッドの上部なことも多く、単に論文数のランキングも、それなりに研究のアクティビティを表しているのではないかと思います。

トップ1%のランキングと、論文数のランキングと、どっちがいいだとか、その違いから何か情報を引き出そうとするだとか、どちらも欠点あるので、あまり凝ってもしょうがないと思いますが、いずれにしても、どの角度から見ても、中国が世界トップの研究力を誇っていて、どの角度から見ても日本との差が広がり続けていることが、はっきりと証明されたのかなと思います。

10年前くらいから年々、私の近くの分野でも、中国の研究者の勢いが増しているのを感じていました。昨日の国際シンポジウムでも、発表者の半分が中国の研究者でした。それに若い。日本で、近くの分野で見渡すと、若くないし、勢いは増していない。なので、ニュースになっているランキング結果は、まあ納得です。

量子コンピューターのニュースを見ていると、若い日本人が目覚ましい活躍をしているようで、毎週、驚いています。状況を知りませんが、ワクワクします。正面から勝負してて、すごい。ミッション感あるかも。

数年前、近い分野で日本でミッション感あるものだと、火星大気の研究者が若くて賑やかで、とても期待していました。参入しようと思っていましたが、別のが忙しくなり、ちょっと最近、離れてしまったので、それからどうなってきているかな。応援しています。

勝負の土俵に乗っていない、海のものとも山のものともつかない何かに興味をもち手をつけて、何年も研究に没頭する、という研究者は、お金は持ってこないかもしれないけど、そういう研究者の貢献というのは実際に計り知れないものがあります。

なので、富士山のように、裾野を広く、そして高いところを目指す、というのが基本で理想だったと思いますが、そう強くできなかった、これからの日本では、いびつな山に橋を架けたり、トンネルを掘ったり、と進んでいくのか、とても心配です。どのランキングも、たぶん上がらなそうな予感がします。

ランキングだとか日本だとか関係なしに考えれば、希望はあちこちに。

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