旅日記9 ラオス 時間が経っても変わらないものもある

旅日記8 ラオス
翌日、何もやることを決めていなかった僕たち2人はバイクを借りてルアンパバーンで有名なクアンシーの滝にいくことにした。
まさに5年前訪れたことのある場所だった。今回のラオス来訪はある種過去の記憶を巡るような旅だった。
ルアンパバーンの街自体は大きな変化はなかったが、クアンシーの滝の周辺は若干変わっているように思えた。より観光地化したようだ。
周辺は変わっていたが滝と川自体は変わっていなかった。川で泳ぎ疲れてホテルに戻るとすでに夜になっていて、
ラオス流の火鍋を食べる。どうやら明日彼はビエンチャンへ向かうらしい。ここでお別れとなる。
たまたま国境から駅へ向かうバスで出会って、2日間一緒に居ただけなのにすごく名残惜しかった。
1人で旅して1ヶ月以上経つ。独りは慣れたが、誰かと一緒にいるのも悪くないなと思った。バックパッカーは一期一会。
一人一人目的地も違えばルートも違う。それでもここで会えたのはいい巡り合わせだった。

彼に会えたおかげてラオスは楽しく過ごせた。ありがとう


自分もルアンパバーンでやる事はなく、次の街バンビエンへと向かうことにした。
5年前この街にきてその雄大な自然がそのまま残るこの街に感動したのを覚えている。
鉄道に乗ると、列車は秘境をずんずんと進んでいった。
周りを霧立った山に囲まれるバンビエンへ到着だ。
そして、その変様ぶりにがっかりした。過去に自分が愛したバンビエンの緩やかな雰囲気は消え、
大量の中国語と往来する中国人。ここがラオスにいるのか中国にいるのかわからないほどだった。
おそらく、鉄道が敷設され中国から列車で行ける観光地として、中国資本が大量に流れ込んだのだろう。
当時はなかった背の高い建物や、中華料理屋が目立つ。なんともラオスへのリスペクトを感じられない侵略だ。
しかし当時からある建物もあった。5年前と同じ中華料理屋で当時と同じ水餃子を食べる。お店はそのまま残っていたが、
メニューは人民元のみ、外国人にフランクだった雰囲気は消えていた。美味しい水餃子を食べながら、心境は複雑だった。

メインストリートにあるミランピザという店も変わらず残っていた。この店はハッピーメニューを出してくれというと、
裏メニュー表を渡してくる。ハッピーピザ・ハッピーシェイクという大麻入りの食べ物から、マジックマッシュルーム、アヘンなども売られている。
この店から大麻を入手してバックパッカーがいっぷくやるというのがこの街の印象だったが、どうやらタイの大麻合法化によって
バンビエンでわざわざ大麻を楽しむ人は減ったようだ。
かつてヒッピータウンとして知られたこの街も、今や月並みな観光地、チャイナタウンへと変わってしまったらしい。
ただ唯一、自然だけは変わらずそこにあった。バンビエンの滞在中は特に目的もなく、誰もいない綺麗な川を見つけて泳いだり、
昔訪れたカフェに行きゴロゴロしたりして過ごした。結局3日ほどでもう次の目的地へ行きたくなった。
この街はネイチャーアクティビティが多いのだが、どうにも1人で川下りや熱気球といったアクティビティをやろうとは思えなかった。
この先、順当にいけばビエンチャンへいくのが王道なルートだが、ビエンチャンには何もないのを知っていた。このままルアンパバーンに蜻蛉返りし、
飛行機に乗ってチェンマイへ戻ろう。チェンマイはほとんど全く観光できなかったので、チェンマイからまたタイ旅行をリスタートしよう。と思った。

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