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ニュージーランド 旅日記1

東南アジアでの旅を終え、日本で3週間ほど怠惰に過ごした自分は、ニュージーランドへの渡航を控え、えも言えぬ気持ちになっていた。好きな時間に寝て起きて、なんの義務も発生しないまま気楽な日々を過ごしていたのに、ひとたびニュージーランドへ行くと、ワーキングホリデーというキラキラした自由で聞こえのいい制度に乗っかっていくものの、辛く苦しい日々が始まるということを知っているからだ。 “ワーキングホリデー”というのは、提携国でのフルタイム就労を限定的に許可する制度であって、何かを保証するも

    • 旅日記14 ネパール

      目的もわからずネパールに来た自分は、カトマンズのごみごみとした喧騒と、一面の曇り空、湿度と暑さに嫌気がさし、カトマンズを出て別の場所に行こうと思い立った。どうやらカトマンズから西へバスで8時間ほど進むと、ポカラという街があるらしい。ここは湖に面した街で、宿で出会ったネパール人の友人たち曰くゆったりとした雰囲気が流れているという。私は寺社仏閣の類には興味がなく、カトマンズに意味もなく滞在し、このごみごみとした街に点在するいくつかの遺跡を見て回るより、ポカラに行って山々や湖、水田

      • 旅日記13 ネパール なんでこの国に来たんだ?

        長いタイ放浪生活も滞在可能期間を目前とし、私はネパールへと向かうことにした。地図で見るとネパールに向かうにはミャンマーとインドを抜ける必要があるが、ミャンマーの国内情勢やインドへの入国に必要な手続きなど、様々な問題があり、バンコクから飛行機で向かうことにした。 ネパールへの直行便は値段が高く、インドのデリーで乗り換えてカトマンズ空港へ向かう。インドでの乗り換えは10時間もあり、町に出るにもビザが必要なため、空港内で一泊することにした。 デリーの空港は巨大だった。特にすることも

        • 旅日記12 タイ ここで出会わなかったら全く違ってた

          寂しさを覚えながらパーイをでて、チェンマイに数泊したのちバスでバンコクへ戻る。 前も泊まった日本人宿に泊まる。バンコクにはもうなんの予定もなかったので、宿であった人とお喋りしつつ時間を潰していた。 そんな中、マッチングアプリマッチした台湾人の女性から連絡がきた。今から飲みに行かない?と。深夜2時、まさに寝るための準備をしていた私は二つ返事でOKをし、深夜のバンコクに繰り出した。 駅前で待ち合わせるとフラフラと歩き出し、名も知らない日本の居酒屋に入る。 彼女は映画業界で働いて

        ニュージーランド 旅日記1

          旅日記11 タイ 離れられない街パーイ

          まず初めに、前回の投稿から間も空いており、その間に 仲良くなった友達が数名いるので先に簡単な紹介をする。 自分:始めてパーイにきて4日ほど経ったあとメーホンソンに行き2泊したのち、パーイに戻る。さらにネパールへ行きますわさいなら、と言ってパーイを出た後 結局戻ってきてパーイに5泊。そんなこんなで宿に馴染めた。 シェーン:最初にパーイにきた時からずっといる。2ヶ月沈没中。 アイルランド出身。どことなく阿部寛に似ている。大体上裸。 ティム:最初にパーイにきた時からずっといて

          旅日記11 タイ 離れられない街パーイ

          旅日記10 タイ 憧れだった街

          バンビエンからルアンパバーンへ戻ると、ルアンパバーンにある小さな空港からチェンマイへと戻った。ラオスは美しい国だが、この5年での変わり様を見ると、次はもう全く違うものになっていてもおかしくはない。次があれば、だが。 チェンマイは程よく過ごしやすい街だ。寺に興味ない自分にとって、観光するにはイマイチではあるが。チェンマイに3泊することに決めた理由は、マッチングアプリで連絡した女の子と会うためだ。お互いの利害が一致した、という解釈で、人肌恋しさを埋めてもらった。情事も旅の情調で

          旅日記10 タイ 憧れだった街

          旅日記9 ラオス 時間が経っても変わらないものもある

          旅日記8 ラオス 翌日、何もやることを決めていなかった僕たち2人はバイクを借りてルアンパバーンで有名なクアンシーの滝にいくことにした。 まさに5年前訪れたことのある場所だった。今回のラオス来訪はある種過去の記憶を巡るような旅だった。 ルアンパバーンの街自体は大きな変化はなかったが、クアンシーの滝の周辺は若干変わっているように思えた。より観光地化したようだ。 周辺は変わっていたが滝と川自体は変わっていなかった。川で泳ぎ疲れてホテルに戻るとすでに夜になっていて、 ラオス流の火鍋を

          旅日記9 ラオス 時間が経っても変わらないものもある

          旅日記8 ラオス

          チェンマイで7日間の療養を終え、ようやく身体が動くようになった時、タイでの滞在可能日数は残り3日になっていた。もともとチェンマイを数日楽しんだあと北西に進み、パーイという街に行く予定であったが、3日でどうにかなる工程でもなかった。聞く所によるとパーイは沈没地でもあり、1日そこらで満足できないだろう。 チェンマイからチェンライへ行き、そこからラオスとの国境を超えてフアイサーイという街に行くことで、ラオス入りをすることに決めた。 チェンマイは何も見ていないが、ラオスを満喫したあと

          旅日記8 ラオス

          旅日記7 タイ(病気レポ)

          カンチャナブリからバンコクに戻ると、何も予定がないので再び日本人宿に泊まった。 宿であった方にご飯を奢ってもらう。曰く、君のような人にお金を使って欲しいといい、1000バーツとタバコ5箱も恵んでもらった。この御恩は絶対に忘れません。 この旅の中ではいまだにいい人にしか出会っていない。昔旅をしていた時は、優しくしてくる人には気をつけろと思い、自分から壁を作っていた。自分も歳をとって尖りが丸くなってきたということだろうか。 バンコクのスネークファームと呼ばれるタイ赤十字社でワクチ

          旅日記7 タイ(病気レポ)

          旅日記6 タイ

          カンチャナブリーは、バンコクから鉄道で3時間西へ進んだ場所にある観光地だ。第二次世界大戦中に日本軍が物資を運ぶための鉄道を敷設したことでも知られている。しばらくバンコクに居た自分は、緑あふれる土地を目指しカンチャナブリーを目指した。 タイ国鉄に揺られていると、色々なことを考え始める。少し前までは仕事を辞めたことへの後悔や、自分の未来を案じてしまったりと、あまりいい考えが浮かばなかったので、長距離移動の際は日本のラジオを聴いて熟慮しないようにしてたのだが、 どうやらもう吹っ切れ

          旅日記6 タイ

          旅日記5 タイ

          スコータイは穏やかな気候で、バンコクやクアラルンプールと比べると若干涼しく感じた。 しかしやることも少ない。数日スコータイで過ごすと、気分は別の方向に向いてきた。 少し涼しげな場所へ行きたかったが、バンコクで用事があった。 バンコクという街は好きだ。後進国が発展し、その流れの中で多くの国が手放した様々なものが奇妙に共存している。これほど栄えた街で至る所に風俗店があり、通りを歩けば手を引かれる。バイクタクシーが娼婦をのせ街を走り、屋台付きのバイクが風俗店前に物を売りに来る。バ

          旅日記5 タイ

          旅行記4 タイ

          全く楽しめなかったマレーシアを離れ、タイのバンコクへと到着。タイには5年前にも旅をしたことがあり、タイで再び旅ができることを楽しみにしていた。5年前は香港から中国ベトナムへと渡り、東南アジアを周遊したのちバンコクが最後の都市となった。 若かったあの頃から、再び同じ地に降り立ち、何を感じるか。 バックパッカーの聖地とも言われるカオサンの近くに宿をとった。 午後10時、宿へ向かっていると感じる青臭い匂い。5年前には感じられなかった大麻の匂いがそこかしこから感じられた。 タイは大麻

          旅行記4 タイ

          旅日記3 マレーシア

          6/5 いいこともあれば悪いこともある、という考えが吹き飛ぶほど旅先での体調不良は心地悪い。旅を始めて三日目にして、早くも頭痛を伴う発熱と共に起床。さらに今日は宿をを変えるために市内へと出て行かなくてはいけない。 照りつける日光の下、フラフラになりながらも新しい宿に着くと、死んだように眠りこくった。 6/6 依然調子が悪く、結局この日もほとんど寝て過ごす。 明日にはこの国を離れタイ・バンコクへ向かう。 正直のところマレーシアのとこを好きにはなれなかった。クアラルンプールに5

          旅日記3 マレーシア

          旅行記2 マレーシア

          6/3 マレーシア クアラルンプール 前回からの続き とはいえ、時間に縛られる事なくゆっくりと昼前に起き出した私は、何かしようという気持ちに駆られ出した。 真昼のこの時間は暑く日差しも強い。曇り空になるのを待ってクアラルンプール屈指の観光名所、バトゥ洞窟へ向かうことにした。 Putraという駅で、バトゥ洞窟行きの電車を待っていると、ある男と出会う。 宿で軽く会釈したバックパッカー1人だ。彼もバトゥへ向かうというので、一緒に行くことに。旅の出会いとはこういうものだ。 ブラジ

          旅行記2 マレーシア

          旅日記1 マレーシア

          初めまして。仕事をやめてバックパッカーを始めました。このnoteには旅の日記を投稿していきます。興味がありましたらぜひ読んでいただけると嬉しいです。 2024/6/3  東南アジア・マレーシア 羽田から7時間のフライトを終え初めて降り立つマレーシアは、午前6時でもまだ暗く、じっとりとしていて陰鬱な雰囲気を醸し出していた。マレーシアのことはほとんど何も知らなかった。ATMで150リンギットを引き出し、コンビニの水の値段を確認する。600mlで1リンギット、缶コーラ1本3リンギ

          旅日記1 マレーシア