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従兄弟の留学話。其の一

私には8つ離れた従兄弟がいる。とはいえ、お互い首都圏と中京地域に住んでいたため、ぎゅーっとまとめれば一緒にいた期間はきっと2週間くらい。

…というのが、10年くらい前までのお話。

彼が大学生だった10年前、彼が僕の住んでいるシドニーに来たことがある。滞在予定は確か2週間ほど。正直2週間も相手はできんなぁと思った私は、その中の一週間で彼に一人旅をさせた。

わざわざ来た従兄弟を一人にするなんて酷い

…と言われかねないのだが、ちゃんと理由はある。彼は高校生の時にニュージーランドに短期留学していたとのこと。ただ、うちの母から聞いた話によると、滞在先でも学校の同級生とずっと一緒にいたため、ほとんど英語は喋っていないに等しいとのこと。

せっかくシドニーに来てもらって申し訳ないのだが、あれこれ私がやれば、きっとまた同じことの繰り返し、一人旅でもすれば、自分でやらなきゃいけない状況に追い込まれるでしょと思い、オーストラリアの主要都市を移動する旅の手配をしてあげました。

ホテルと飛行機は全部私が予約したのだが、その時電話で予約の確認をしている私をみて、彼は、自分も英語が上手になれたらいいなと強く思ったらしい。(自分で言うのは恥ずかしいが、有難いお言葉です。)

勿論彼にも一人旅は多少の不安はあっただろうけれど、彼に現地でつながる携帯電話も持たせ、頻繁に連絡は取りました。(僕だって不安でしたよ。そりゃね)

なんとか無事に一人旅を終えた彼に、「どうだった?」と聞くと「大丈夫でしたよ。」と決して弱みを見せることもない。泣きついてくるかと思えば全くそんな様子もなし。こちらがびっくりするほど、自信をつけたようにも見えた。少なくともポジティブな経験だったに違いない。

彼はそんな一人旅経験と共に帰国するのだが、その直後には大学休学を決め、ブリスベンに1年の語学留学をした。

そして、たった1年の語学留学だというのに休みの間に2度もシドニーに来た。

慕われるのは有難い話だけれど、それならシドニーに留学すればよかったのに…とも思う。本人曰く、俺に頼らないため違う都市を選んだとのこと。実際相談みたいなものは一切受けなかったので、これはどうやら彼特有の気遣いらしい。

正直勉強がとても得意ではない従兄弟だが、1年の語学留学はそれなりに有意義だったようだ。最初は色々語学学校に文句を言っていたけれど、途中から気持ちも切り替え、まぁよく有りがちな語学留学を経験し、帰国していった。

彼の住んでいるエリアは中京地域で、大学を卒業して就職した先はトヨタと取引のある会社らしい。だいたい今年で10年弱働いていることになる。数年前に話した時は、インドともやり取りをすることがあると聞いていたので、どうやら語学留学の経験は多少なりとも使う機会があるようだ。

さて私が日本に帰れないこの昨今、先日、オンラインで少し話をしたのだが、どうやらタイ赴任の話があったとのこと。

さて、皆さん彼はこの話を受けたのか断ったのか…話は次回に続く

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