パンチョのある街
あなたはパンチョというチェーン店をご存知だろうか。都市部を中心に展開するスパゲッティ屋さんだ。ナポリタンが主力メニューで、本当に美味しいナポリタンをお腹いっぱい食べられる。
大学生時代、私は仙台に住んでいた。落研に入っていた私は、歌舞伎や落語を見るため夜行バスで東京に通う日々を送っていた
コンクリートジャングル東京で、お金はないけど腹ペコな私のお腹を救ってくれたのがパンチョだった。大盛りで600gあるナポリタンをちょっと後悔しながらもうまいうまいと平らげていた。渋谷新橋吉祥寺など、様々な場所でお世話になった。
今、大宮に住む私は、大宮のパンチョに足を運んだ。今日はシチューナポにクーポンで目玉焼きを載せよう。
シチューが載るから大盛りで500g。深皿に山盛りのナポリタンがやってきた。半熟の目玉焼きがツヤツヤと輝いている。
やっぱり美味しい。シチューはとびきり濃厚でナポリタンに負けない味わいがある。そしてナポリタンは完成された味がする。マヨネーズや粉チーズを試すけど、何もかけないのが一番美味しい。
500gは今の私には多過ぎるけど、今は容器代を払えば持ち帰りができる。
残りを詰めてもらっている間にふと思った。
「パンチョのある街に住むようになるとは思わなかった」
随分都会に出てきたものだとしみじみした。大宮に出てもうすぐ4年になる。仙台で過ごした時間と同じだけ経とうとしている。最初は全然馴染まなかった大宮も、いつかふるさとの一つになろうとしているのだ。
残りのナポリタンが入った箱をぶら下げて、ほくほく気分で家路についた。
パンチョを家で食べるようになるとは思わなかった。
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