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コミュニティボードゲーム『Who?』ができるまで

こんにちは、ボードゲームの人、山本龍之介です。

普段は企業用ボードゲームを制作していますが、今回はじめて、一般向けのボードゲームを発売します。

それがコミュニティボードゲーム『Who?』です。
ゲストハウスやコワーキングスペース、コミュニティイベントなど、「初めまして」があふれる場所で、初対面でも10分ですぐ打ち解けられ、その後のイベントやメインコンテツが、さらに盛り上がる!ボードゲームです。

そして、今回はじめてクラウドファウンディングにも挑戦します!
2020年3月18日(水)21:00からスタートです。それにあわせて、もっと山本と『Who?』を知ってもらいたい!と思い、このnoteを書きました。

なぜこのゲームを作ろうと思ったのか、どんな考えがあってこのゲームを作ったのかを書ければと思います。

マジックサークルと日本文化

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コミュニティボードゲーム『Who?』の着想は「マジックサークル」と「日本文化」にあります。

まず、はじめに「マジックサークル」について。これはゲームルールの本を読んでいる時に出会った言葉なのですが、「マジックサークル」とは、一言でいうとゲームが取り巻く魔法の空間といえます。

ここに、1つのお菓子が残っています。でも欲しい人は3人。そんなとき大抵の場合、じゃんけんでそのお菓子を獲得する人を決めるでしょう。きっと3人とも全力でじゃんけんに取り組みます。しかし、これってかなり不思議なことで、ほんとうにお菓子がほしければ殴り合いをしても良いわけです。でも、たった3つの手の形を同時に出すだけで、誰もがその手の内容に納得して、その結果に従います。

このとき、この空間には「マジックサークル」が存在しているのです。ゲーム中ではあると認識しているけど、なぜかそのルールに従ってしまう不思議で魔法のような空間。おにごっこでも、カタンでも、この「マジックサークル」が働いています。

そして、もうひとつの『Who?』の発想の起源は、「日本文化の曖昧さ」です。当時、海外旅行に行き過ぎ、逆に日本が好きになって帰ってきました。そして、日本文化の本ばっかり読んでいた時、この考えに出会いました。

例えば、「縁側」や「軒下」など、日本建築には内なのか外なのかよくわからない空間があります。他にも「間」や「幽玄」、「夢幻能」など、きっぱり割り切れない「曖昧な世界観」が、日本文化にはよく登場します。

曖昧なマジックサークル

ぼくの最終的な目標は「ボードゲームを日本文化にする」こと。茶道や能のような日本文化にしたいのです。

そして、「マジックサークル」と「日本文化の曖昧さ」に出会います。ボードゲームを日本文化にしたいと考えた時、この2つをかけ合わせ、マジックサークルと現実との境界を曖昧にできないか?という発想に至りました。ゲームだけど、ちょっと現実ぽい空間。それを作り出せば何か面白いことは起こらないだろうか…

マジックサークルを曖昧にするために、考えたのはテーマを「プレーヤー自身」にすること。無人島開拓や、不動産売買ではないもの。人生ゲームでもどこか他人事です。ゲームの中にほんの少し自分自身を登場させれれば、それを実現できるのではないかと思いました。

そして、何よりそんな「曖昧なマジックサークル」はより日本人に受け入れられるゲームになるのではないか、そう考えるようになりました。

やっぱりボードゲームは人をつなげる

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先の「曖昧なマジックサークル」と同じように考えていたのが、ボードゲームの魅力。なぜ、ぼくはここまでボードゲームに惹かれ、他の人もボードゲームを楽しんでいるのか。

いろいろ魅力はあるのですが、それはボードゲームの人をつなげる力が大きいのではないかと考えました。

ボードゲームを作る人としては、最大限に引き出したこの魅力をプレーヤーに楽しんでほしい。その時、「曖昧なマジックサークル」を思い出したのです。

ボードゲームを日本文化にするために考えた「曖昧なマジックサークル」に必要な要素である「テーマとしてのプレーヤー」。それはそのまま、ボードゲームの魅力である、「人と人を繋げるゲーム」にマッチするのでは…!

あとは、ルールを作るだけ。でも。

ここまでくれば、もう簡単です。あとは「曖昧なマジックサークルを持ったプレーヤー自身がテーマであるゲーム」のルールを作るだけ。

しかし、簡単と思ってもこの着想から今まで1年以上かかりました。

初め考えたのは、プレーヤーを何かに例えるゲーム。みんなあるお題の人を例えているのだけど、1人だけそのお題の人を知らず、知ったかぶりで対応する。その1人がバレてしまったら負けというルールでした。

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でも、微妙にルールがまとまらず、断念してしまいます。

風呂場で降ってきたゲームシステム

そしてその後できたのが、コミュニティボードゲーム「Who?」の原型システムでした。ずっと悩んでいた時に思いついたので、その瞬間はめっちゃ嬉しかったです。

完全に降ってきた、という感覚。これまで自分で遊んできたゲームを振り返っているときでした。必要なのは、「ピット」のスピード感…「なんじゃもんじゃ」の何か当てる感…。こんな感じで少しずついろんなゲームの特徴を抽出して考えていました。

…は!サイコロ2個を自己紹介内容とプレーヤーに対応させれば…!なんで思いついたかは、覚えていないですが、思いついた瞬間は今でもはっきり覚えています。風呂場の浴槽でボケーっと考えていた瞬間。ハッとして、ほぼ裸で2階に駆け上がり、父に報告したのをよく覚えています、そしてその瞬間書き留めておいたカードがこれです。

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これなら、人をテーマにしながら盛り上がれるゲームになる!そう確信して、最後はルールの細かな調整を行っていきました。

そして最後は、形に。

骨格のルールは完成したので、あとは友人と多くのテストプレイを重ね、現在のルールを完成させました。

その後、ボードゲームが好きなデザイナー堀さんにデザインをしてもらい、ボードゲームが好きな居候男子木津さんにプロジェクトの全体設計を手伝ってもらいました。(デザインや発注、クラファンのページ作りなどの実作業工程もまたnoteにまとめます。)

今回のクラファンページも、この2人にかなりアドバイスを頂きました。おかげさまで、めっちゃかっこいいページになってます。

ここまでが、ざっとした『Who?』の完成までのストーリーです。本当はもっと細かいこともたくさんあったのですが、それは実際に会って聞いてもらえればと思います。

そして、このクラウドファウンディングをするにあたっての、ぼく個人の想いは、はじめに考えていた通り「ボードゲームの人と人をつなぐ魅力」を多くの人に体験してもらいたい、ということです。そしてこれをキッカケにいい出会いが増えたり、もうちょっといろいろなボードゲームで遊んでみたいなと思っていただければ、何よりの幸せです。

それでは、クラウドファウンディング公開までもう少々楽しみにお待ち下さい…!

大切にボードゲームに変換させていただきます。