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2024年度夏の青春18きっぷ旅行 4日目その1 雷鳴と天橋立 (加賀温泉→敦賀→舞鶴→天橋立)


前回のあらすじ

早めのチェックイン。クソデカ純和風一般客室。広縁でマターリ。コインランドリー。和食。加賀野菜、橋立港直送割鮮、and more、エトセトラ。セイクで優勝、ポンシュでエキサイティング。風呂る。そりでは、ぽやしみ。

午前2時の霹靂、朝風呂、朝食

雷霆。耳を貫くが如き雷鳴。覚醒、脊髄反射、飛び上がるように起床。空襲か、災害発生かと身構えてから、その数秒後に近場に落雷したということを理解し、何だビックリさせんなよ〜、と安心しながら舌打ちをする。この雷がキッカケか、窓を叩きつけるような雨が振り始める。窓どころか宿全体のが揺れていると錯覚するような苛烈な雨。遠くで響く救急車のサイレン。俺は俺で気を取り直し寝直そうとするが、意に反して目が冴えてしまう。突然刺さるように降ってきた雨に苛立ちを覚えていた。雷雨がうるさくて耳障り。結局3時くらいまで布団の中でもぞもぞしていただろうか。昨日の昼間にこんな嵐に見舞われていたらガチ泣き必至だったな。今日の行程に影響ないと良いけど。

あまり記憶にないスクショ

しばらくして雨が弱まり、同時に意識がフェードアウトする。朝7時にスマホのアラームが鳴り、目覚めた時には雨は小降りになっていた。やや寝不足を感じながらも予定通りに大浴場に向かう。2日連続の朝風呂、苦しゅうない。

これを朝食とする

味自慢の宿だが、俺の予算の都合で昨晩の献立にフルスロットルで費やしたので朝は自力調達をすることにしていた。だが昨日の俺はコインランドリーでの時間の見積もりが甘かったし、夕食も楽しみすぎて舌鼓でドラムロールしていた。事前に何らかの小売店で朝食を買うような用意周到さは失っていた。おまけに朝風呂を優先したために買いに行く余裕がなくなった。結果的に客室にあった和菓子とミネラルウォーターだけで朝食を済ませる。めちゃくちゃ味わいながら一口50回くらい噛んで食べた。まあ次の目的地までの道中で食料確保すれば良いか、と軽いノリで考え、ホテルからの送迎バスで駅まで向かう。時刻は09:10になっていた。

IRいしかわ鉄道及びハピラインふくい 09:21加賀温泉発→福井経由→11:00敦賀着

加賀温泉駅前、雨はやや小降り

ここからの道中の説明コーナーその1。本日最初の目的地は天橋立である。ここまで向かうには、①加賀温泉駅から敦賀に向かい、②JR各線で西舞鶴を目指し、③そこで京都丹後鉄道(通称「丹鉄」)を利用する必要がある。いきなり全部の行程を書いても長ったらしいので、この項では①について詳説する。

加賀温泉駅から敦賀までの区間は青春18きっぷの利用範囲外で、鉄道で移動するには、北陸新幹線もしくはIRいしかわ鉄道及びハピラインふくいを利用する必要がある。前者は約40分3,390円、後者は1時間30分1,970円。所要時間をとるか料金をとるかで判断が分かれるが、乗換案内アプリで精査して考慮すると、両者ともに天橋立に到着する時間は14:16であることが分かり、それなら後者で節約しつつのんびり向かうのが良いとジャッジした。北陸新幹線は一昨日乗ったし、そんなに未練もない。敦賀までの区間ではICカードが使えるようだ。切符は買わずにICカードで入場する。

これに乗ります

加賀温泉駅はIRいしかわ鉄道管轄だが、やってきたのはハピラインふくいの車両。これに乗車して福井を目指す。ちなみに大聖寺駅がIRいしかわ鉄道とハピラインふくいの境目だ。

福井で乗り換え。15分ほどの待ち時間でトイレを済ませる
ハピラインふくいの「ハピ」は、ハピネス=福=福井の意
敦賀到着。ここでコンビニに寄り朝食確保
白ポストことエロ本回収ボックスを発見。珍しい

余談だが、加賀温泉→敦賀まで北陸新幹線、敦賀→京都で特急サンダーバード、京都→福知山で特急きのさき、福知山→天橋立で丹鉄の特急たんごリレーで13:30に目的地に到着するルートもあったが、特急券等の諸経費合計で11,160円もかかるし、青春18きっぷの出番が全くなくなり旅のコンセプトから逸脱するので不採用。背に腹が代えられない事情があれば話は別だったかもしれない。

JR小浜線 11:18敦賀発→13:16東舞鶴着、JR舞鶴線 13:23同駅発→13:29西舞鶴着

本日の入鋏

ようやく青春18きっぷを利用する区間に来た。ここからの道中の説明コーナーその2。敦賀〜西舞鶴の24駅分で実際には1,880円の運賃が必要な区間。本日はこれ以外にJR在来線に乗る予定はない。ところで青春18きっぷはJR各線で1日あたり2,410円以上の運賃を支払うと元が取れる計算のため、厳密に計算すると530円ほど損している感じになる。ギリギリまで別の旅行のために温存すべきか迷ったが、今回の他の日程では確実に元を取っているし、旅のコンセプト的には使ったほうがスジが良い。合理的な考えは捨てる。

これに乗ります

2両編成の車内には俺と同じような旅人以上に、普段使いしているであろう学生服姿や体操服姿の若者の姿が目立つ。西に向かって進む社内では乗客(主に学生)が入れ替わり立ち替わり風景を変えていく。賑やかな様子の男子たち、通学カバンにハンギョドンとかおぱんちゅうさぎの人形をぶら下げている女子たち。車窓を眺めているおじさんたち。各々銘々が夏期講習だったり部活だったり旅行だったりで夏休みを過ごしているのだろうと想像する。俺も同じだよ。今日がその折り返しの日だけど。

……………?

……………え、今日夏休み折り返し!?

事実に驚愕しているうちに終点の東舞鶴に到着
西舞鶴まで乗り継いで、丹鉄へ乗り換える


京都丹後鉄道宮舞線 13:37西舞鶴発→14:16天橋立着

ここからの道中の説明コーナーその3。明快単純な話、西舞鶴にてJRから京都丹後鉄道に乗り換える、ただそれだけだ。京都丹後鉄道ではICカードを使えないらしいので、郷に行っては郷に従え精神で切符を買い、それを駅員に入鋏してもらう。

初めての京都丹後鉄道、ワクワク
券売機にレトロさを感じだったのは、タッチパネル式じゃないからだろうな
天橋立行切符

切符はJRと同じように後々降車駅で駅員に回収されるのだけど、切符というのは「移動した証」として一旦目に見える形にアウトプットされるのが旅の高揚感を煽るものだね。これが通勤定期だったらチマチマしていて煩わしくもあるけど。

Nice to meet you.
乗るのはこっち。1両編成

日本三景の1つに向かうのに1両編成。これはきっと海外ツーリスト含めて車内は混雑しているだろう、という予想だったけど特にそんなことはなかった。観光客の多くは福知山駅から発車する宮福線に乗って訪れるのだろうか。今は知る由もない。ボックスシートに座って目的地まで向かう。

ぼんやり車窓を眺めていると、なんだか雲行きが怪しい。そういえば未明の雷雨で叩き起こされた時に、今日は全国的に天候が崩れるとか何とか書いていた気がする。そんな予報を思い出しているうちに大粒の雨が降り始めた。オイオイ嘘だろ、日本三景の1つを悪天候の中で眺めろっていうのか。悠長に天橋立で股くぐりとかしてたらズブ濡れになるぞ。

雷鳴と天橋立

着いたわよ
案内板わよ

天橋立駅に着いた段階で天気は小康状態、ただし予報には傘に雷マークが憎らしく踊っており、余談を許さない状況だった。ひとまずは散策前にコインロッカーにスーツケースを入れ(500円、妥当な価格設定だけど地味に痛い)、天橋立ビューランドに向かう。最初はそういう名前の展望台だと思っていたけど、調べたらここはホニャララランドというだけあって遊園地らしい。しかしここでの目的は飛龍観展望や股のぞき台から天橋立を穴が開くくらい覗くこと。アトラクションに乗るのは二の次。というか1人で乗っていたら虚しくなりそうだから辞退したい

平日だし雨予報だし人は少ない。ハイシーズンはこのテントの下に夥しい人垣ができるのだろう
天橋立ビューランドへ向かう選択肢。晴れていたら迷わずリフトに乗っていた。待つの嫌だし。

ビューランドに向かうルートには徒歩ルートは存在しない(らしい)。存在していたとして時間も体力もないので使わない。本当はリフトに乗って景色を眺めながら直行したかったが、この天気だ、乗っている間に雨ざらしに遭うのは御免被りたいので大人しくモノレールを採用。他の旅客の大多数も同様にモノレールで山頂まで運ばれていく。なお、モノレールは上下線ともに20分間隔で運行している。ご参考までに。

850円。遊園地価格として見るか往復交通費と見るか

丹鉄の西舞鶴〜天橋立間より高い料金に目をしばたたかせながら山頂駅に着いた瞬間、もしくはその直前からかは分からないけど、残念なことに雨が降っていた。手元の折りたたみ傘では心許ない勢いの雨粒が降り注いでいる。幸い無料で傘を貸し出してくれていたのでありがたく拝借した。雨だけど日本三景の姿形が変わるわけじゃない、大丈夫……大丈夫だよね?

めっちゃ雲行き怪しい

晴れていたらどんなに壮観な景色だっただろうか。奥にある傘松方面に黒い雨雲が立ち込めていた。これはこれで味がある風景だと息を呑んでいたが、刹那、爆音で雷が鳴り始め、それを合図に雨脚が強さを増していく。股のぞきとかしていたらズブ濡れ必至。俺は断念したけど、天橋立を前に諦め切れない海外ツーリストの何人かは土砂降りの中で果敢に股のぞきチャレンジを試みていた。風邪を召されないように祈ってる。

青空も見えるから通り雨なんだろうけど、
あーダメだ、俺のほうに雲来ちゃった
この悪天候を活かして面白い写真が撮れないかと試行錯誤したが、全然上手くいかねえ
文人墨客の短歌と詩。
七言絶句に「股間」って入ることあるんだ

俺が股のぞき台の前で写真を試行錯誤している間に雨が止めば良いなと思っていたけど、そんな気配は微塵もない。飛龍観回廊も封鎖される始末。あんまり撮れ高ない。晴れていたらここでの楽しみ方も変わったんだろう、気分が高揚しすぎて1人で観覧車とかメリーゴーランドとか乗っていたらかもしれない。

遊園地要素①
遊園地要素②
この他にも観覧車とかゴーカートとかがある
帰りのモノレール待ちの視線
モノレールから見たリフト
モノレールから見た天橋立

天橋立を歩こう(周辺ダイジェスト)

なんか晴れたんだが?

俺がモノレールで山麓に到着した瞬間に雨が止んだ。これからまた降り出す気配もない。タイミング悪すぎる、こんなことならもう少し待って俺も股のぞきしたかったぜ。「写真の上下を180°回転させれば見た目は同じなんじゃねーの?」というのは天橋立を前にして無粋なので禁句だからな。

時刻は16時である。丹鉄の運行本数は少ないし、これ以上撮れ高がなくてイマイチな思いをするのもアレだし、旅程を早めて本日の宿泊先まで向かっても良いかなぁ、と諦念が過るが、天橋立なんて滅多に来れないので、粘って散策する。しかしながら傘松方面まで行って帰ってをすると予定の列車に乗れなくなる可能性が高いので、少し歩いた先にある天橋立神社を目的地にする。

天橋立を歩くぞ
橋を松が覆う
日本三景碑
長い長い。自転車借りて駆け抜けるのもアリだったな。
与謝野寛・晶子夫妻歌碑
天橋立神社
その反対側にあるもう1つの鳥居。古の時代、人はこの鳥居の前まで船を漕ぎ、天橋立神社を参拝していたとかなんとか
風光明媚だ、快晴だったら今日網膜に映した風景の150%増しの絶景が見えていたんだろうな
ちなみにさっき渡った橋は廻旋橋という名前で、
船が通過するときに90°旋回して、
こんな感じで船を通してあげて、
船が通ったあとは、
何事もなかったようにピッタリサイズで元通り
これは知恩寺の前にある松から下げられた扇形のおみくじ
(知恩寺それ自体は撮り忘れました☆)
扇子型おみくじって扇子だけにセンスが良い
記念に引いた。1人旅している折に「仲の良い友人と旅行に出かけるのが良いでしょう」と占う知恩寺さん、容赦ない
小腹が空いたので甘味処に立ち寄る
雨と湿気で摩耗した身体が癒やされる

ここまで来た率直な感想──天橋立観光、3時間だけだと難しいな!!

次回、夕日ヶ浦木津温泉編。乞うご期待。


※業務連絡

記事を書いているうちに筆者の夏休みが終わってしまったので、更新が遅くなります。今回の青春18きっぷの旅はまだまだ続きます(打ち切りマンガの常套句じゃないです)。

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