真昼の決闘(1952、アメリカ)観ました。

西部劇の名作と言われて知ってはいましたが、初めて観ました。

驚いたことに、これは西部劇ではありませんでした。アメリカの西部劇時代の街での人間劇、男の意地を描いた映画です。いやぁ、びっくりしました。

ゲーリー・クーパー演ずる保安官は、任期最後の日に美しい女性(グレイス・ケリー)と結婚するのですが、昔捕まえた悪者が復讐をするために街に戻ってくるという報が届く。一旦は、新婦と逃げようとするものの、戻ってきて、街の人を募って一緒に戦かおうと呼びかける。しかし、皆が保安官によって街は安全になったと認めながら、誰も協力しようとしない。

その背景で、新婦以外にも、昔の女だったメキシコ女が、これまたミステリアスでセクシーも出てきて、どうやら戻ってくるという悪者の女でもあったという、男女関係のもつれもどうやらあるらしい。

音楽は、誰でも聞いたことのある曲ですが、それを色んなアレンジで使い、情景を描写する。音楽担当は、ディミトリ・ディオムキンさん。
しかも、お昼の汽車で、その悪役が戻ってくるというのに、仲間は集まらないし、女とのグチャグチャもあるし、かつての部下で殴り合いのけんかをしたりして、観てる方は、早く闘いの準備しようよ! という感じてやきもきします。

監督は、フレッド・ジンネマンという方ですが、これぞ映画という感じですね。

それと、教会で、大人たちが保安官に協力するか議論するのですが、これがまたアメリカの民主主義の根本という感じで、みんな色んなことを言います。でも、保安官にお世話になったんだから、助けてやれよと思うのだけど、恥知らずな大人もいて、民主主義は難しいですね。

色々と勉強になりました。最大の教訓は、なんだか理由は分からなくても、男は意地を張って、逃げるなということですかね。もちろん、昨今、本当に死ぬぐらいなら、逃げろと言われているものの、昔ながらの西部(南部)男のガッツというのはそういうことなんでしょうね。

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