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日本語と陰陽論の不思議な関係

陰陽論を勉強した際に、
面白いなと思ったことがあります。
ちょっとマニアックな話なので、
適当に飛ばしていただけたらと。

鍼灸や湯液、薬膳を学ぶ際には、
陰陽論を勉強する必要
があります。

施術や処方で、人体の陰陽を整えて、
健康の維持・向上を図るためです。

陰陽論は、古代中国で体系化されたとされ、
東洋医学の根幹を成す思想の一つです。
これを覚えるのは結構難儀なんです。

陰陽論は、万物を陰陽に分けます。
「ひなた」が「陽」。
「ひかげ」が「陰」。

これが分類のベースとなります。

ひなたは暖かく、ひかげは寒い。
「火」と「水」をこれに当てはめると。
「火」が「陽」、「水」が「陰」。

「高いところ」はひなたになるので「陽」。
「低いところ」はひかげになるので「陰」。
「高さ」は凸となり、「低さ」は凹となる。
これを生殖器と考えると。
「男」は陽で、「女」は陰。

こんな感じで、
連想ゲームのように万物を分類します。

これを展開していくと。
「左」と「右」も陰陽として定義されます。
どちらが陽で、どちらが陰と思いますか?

陰陽論の説明としては。
太陽がある南を向くと。
左は日が昇る方向のため、「陽」。
右は日が沈む方向のため、「陰」。
となっています。

なんか覚えづらいと思ったんですよね。

面白いことに、日本語においては。
「左(ひだり)」と「右(みぎ)」は、
その言葉の構成から、陰陽が分かります。

これは、古神道について書かれた本で
知ったことなのですが。

「ひだり」は、「火足りる」。
「みぎ」は、「水の極」。

という意味があるそうです。
なので。

「左」は「火」の性質で「陽」。
「右」は「水」の性質で「陰」。

これに沿い、神社で柏手を打つ際には、
左手が上になり、右手が下になる
、と。
縄文以前からこのような作法があったようです。


柏手

陰陽論は古代中国で体系化された
とされています。
かなり古い日本語の中にもその痕跡があり、
面白いなと思った次第です。

陰陽論は、
鍼灸マッサージの国家試験に出題されます。
左と右はどっちが陰陽だっけ?となります。
これを知った時は、覚える一助になりました。

日本語は、音の一つ一つに意味があり、
その並びも大切と聞きます。
「言霊」として尊ぶ文化もあります。

東洋医学を勉強した際に、
その一端に触れて、感心した次第です。

お読みいただき、ありがとうございます。

あなたに龍の祝福のあらんことを。

龍太@龍鍼堂




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