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保育士も働いて稼ぐことに胸を張ろう~サービス残業は自己満足の為の自己犠牲~

 はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。明日からいよいよ新年度、例年なら初めての保育への不安や期待が大きいけれど、ちょっと今年度は他のことへの不安が大きすぎますね。。。健康に怪我無く、病気なく子どもも保育者も過ごす。しばらくは、これだけで満点です!120点です!

 さあ、今回のテーマは「働いて稼ぐ」ということについて扱っていこうと思います。

 「稼ぐ」という言葉の持つ語感やニュアンスの問題なのでしょうか?日本人は「稼ぐ」ということを、どこかやましいこと、がめつい心持ち、のようにネガティブに捉えている人が多いように思います。特に福祉職に就く人は、そう学校で教わるの?僕教わってないけど・・・って思うことが頻繁にあります。

 どうしてそうした考えが生まれるのか考えてみると。新社会人の方や、「稼ぐ」ことに後ろめたさを感じている保育士は「福祉」を提供する仕事だから「利益」を求めるのはどうなんだろう?と思っているのではないかなと推察します。

 考察を巡らせていく前に、まずは結論から書きますね。

 保育士も仕事なので「働いて稼ぐことに胸を張るべき」です。更に付け足すと、サービス残業をよくサービス精神や慈善活動の様に言いくるめる人がいますが、それは経営者にとって都合の良い解釈であり、それを鵜呑みに良しとするのはただの「自己犠牲」でしかなく、厳しい言葉を使うならただのあなたの「自己満足」でしかありません。

<「福祉」と「お金」を切り離す矛盾>

 まず「福祉」と言う言葉は、どちらも「幸せ」を意味する漢字二つによって成り立っています。

 「公共の福祉に準ずる」という福祉職の基本となる考え方は、要は「みんなが幸せな日常を送る為に、私たちは活動、業務を行っていこうね」ということです。その為に保育士は子ども達が安全に楽しく過ごせる工夫をし、保護者が安心して預け、時には相談ができる専門性を身に着ける努力をしていくのです。

 さて、では「幸せ」について少し考えてみましょう。幸せには人それぞれの価値観があり、同じ状況があっても感じ方は人それぞれですね。なので、例えば「お金がたくさんあれば幸せか?」と聞かれたら、皆さんは自分の価値観でもってすぐに答えることができるし、意見は分かれると思います。

 でも、これね。反対の言葉使うと意見がまた変わると思うんですよ。「お金がないことは不幸せか?」と聞かれたら、即答できますか?意見としては前の質問と一貫しているのだけれど、ちょっと悩みませんか?

 それって、お金があることで幸せとは限らないけれど、お金がないと不自由があることや、選択肢が限られてしまう場面があることを知っているからですよね。

 お金が絶対とは言いません。ですが、やっぱり生きていくうえでは何かにつけて費用がかかりますから、このように「福祉(幸せ)」と「お金」を切り離そうとするのは難しいことなのです。その矛盾に気付かなければならない人が案外と多いものです。

<サービス残業を容認することは自己満足の自己犠牲でしかない>

 公共の福祉に準ずる。素晴らしい言葉で、いかにも日本人的な響きですね。でも、社会全体の「幸せ」をかなえようと思うなら、まずは自分自身が「幸せ」でなければなりません。なぜ、多くの人は「自分自身が社会の一部である」という当たり前なことを忘れてしまうのでしょうか?

 慈善事業や無償のサービス精神というのは、自分の生活にある程度満足していて、経済的にも精神的にも裕福な人だからできる事です。

 それに根本的なことに立ち返ると、保育士は職業であって、保育は仕事です。それに伴う「給与」が与えられるのは当然のことですし、業務に見合うだけの「賃金」が支払われるべきなのです。なので、「労働への対価」としての「お金」を、ギャンブルの利得のような少し定義の曖昧な「お金」と混同してはいけません。

 保育士の業務は現行を簡潔に批判すると明らかに「業務過多」です。最近は労働環境改善に真摯に取り組む法人さんも見受けられるようになってきましたが、まだまだほんの一握りと言って良いでしょう。保育室から出た後の「サービス残業」や、仕事を家に持って帰って行う「持ち帰り残業」が横行している保育園も少なくありません。

 また詳しく「労働基準法」などについても触れたいと思っているのですが、どんな理由があっても(時間的、人員的な制約、個々の職員の技能など)労働時間に対して「賃金」が発生することを国は保証していますし、法律によって支払わなければならないとしています。つまり、サービス残業を従業員に課すことは立派な「法令違反」なのです。

 しかし、先に書いた通り、保育士は今のところ「業務過多」であり、世間的にも認知されている様に「人員不足」もそれに拍車をかけています。

 保育士配置基準に準じ、子どもを見守るだけの人員を雇うのに手いっぱいで、書類や準備物など保育外業務に充てる時間を作るだけの人を雇えないという悩みを経営者も抱えているのです・・・

 でもこれ、あくまでも個人的な見解ですが。ただの努力不足の言い訳で労働に対する賃金を支払えないのは、経営者として力不足に過ぎないと僕は認識しています。「経営したこともないくせに何が分かる?」という意見も正当性が無さ過ぎて、この言葉使う経営者は信用に値しないと考えています。

 ここまで改めて仕事をしたら「それに見合う賃金」が発生することは当然のことであり、法令違反であるサービス残業や持ち帰り残業をしていることに疑問を持てたと思います。

 うちの園は人が少ないから・・・保育園が困っているから・・・私は作業が遅いら・・・周りは残って仕事をしているし少しくらいサービス残業も・・・なんていう考え方は、あなたの自己満足をする為の自己犠牲に過ぎないのです。

 書類の簡易化、電子化、業務の見直し、保育環境の見直し、時間を限定してパートさんを雇う・・・他にも業務を減らす、負担を軽くする方法はいくらでも出てきます。職員が容認するから経営者は動かないし、動けないという場合もあります。働くことへの意識改革はじめませんか?

<保育士も働いて稼ぐことに胸を張ろう>

 今や当事者たちよりも世間の認知の方が「保育士」は必要な仕事だ、「給与を上げて欲しい」、「人員不足を解消して欲しい」とSNSなどで声をあげている様にも感じます。そうして認めてもらえたことに満足してしまっている人いませんか?確かに承認欲求が満たされることは心地よいし、意欲にも繋がります。でも、根本的な問題としてやはり多くの保育園で人手は足りていないし、サービス残業などの無賃労働がまかり通ってしまっている事実は変わっていません。

 ます、私たち保育士が「働いて稼ぐことに胸を張る」べきです。そして、無賃労働は法令違反であり、それがまかり通る環境がおかしいと認識し、声をあげなければなりません。

 保育士が疲れてしまっていては子ども達に十分な保育を提供できません。保育士が低賃金で自己実現ができていなければ、解説したように他人を幸せにすることは難しくなります。私たち保育士が「稼いで」、仕事から離れた時には自分の好きなことをして、ちょっと贅沢をして英気を養うことで「幸せ」を感じることは、巡り巡って子ども達の、そして公共の福祉に貢献するのだと胸を張りましょう。

 では、また学ぼうね!

 


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保育士りゅう先生

 保育士りゅう先生(「RyU先生」で子育てに関する記事の執筆を依頼を受けてしていました)

 保育現場で5年間正職員として働き、学生時代やライター活動時にも子どもとの関りがあるアルバイトをしていました。

 現在は現場を離れて、元々したかったママパパの心のケアや、保育士の心のケアをしていけるように自身のHP『保育士りゅう先生のあそびば!まなびば!』を作成・運営しています。

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