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小さい子の人見知りは発達の証~「好奇心待ち」で打開しよう~

  はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。今日も学校や保育園では教えてくれない「保育の基礎知識」を学んでいきましょう。

 今回のテーマはおおよそ生後7カ月頃から見られる「人見知り」を打開する為のちょっとしたコツです。そもそも人見知りとは何故するのか?についても生物学的な心理学的な視点からも見ていきましょう。

<人見知りは脳の発達と生存本能>

 そもそも何故人は人の中で生きていかなければならないのに、他者を受け付けない人見知りをするのでしょうか?

 勿論、そこには様々な要因が複雑に絡んでくるわけですが、大きな要因として「脳の発達」と「生存本能」によることがあげられます。

 児童心理の発達テストの中に「ストレンジャーシチュエーション法」と呼ばれるものがあります。かいつまむと、初めての場所にママ(愛着関係:アタッチメントを結んだ大人)と一緒に乳児さんが訪れ遊びます。子どもが場所見知りしなくなり普段の様に遊ぶようになった頃に、母親が部屋から出て、見知らぬ人が入ってきた時の様子を見るという観察実験です。

 ここでの反応を3つに分類し、主に自閉症やネグレクトなどを含む愛着関係の形成ができているか?と発達の個性を見るテストになります。

 普段から愛情を十分に注がれ沢山のスキンシップをして愛着関係を築いた親子の場合には、子どもはママがいなくなり知らない人が来ると泣いたり不安そうにしますが、ママが帰ってきて知らない人がいないくなるとまた遊び始めます。ママがいると安心、つまりは生存が保証されると無意識に感じている証拠ということです。

 ここでは深く触れませんが、ストレンジシチュエーション法の3つのタイプとしては愛着関係が結ばれている子どもが見せる「安定型」、自閉症などの子が見せることがあるママや見知らぬ人に対して無関心な「回避型」、十分な愛着関係が結ばれておらず帰ってきたママに攻撃的になったりする「葛藤型」があります。

 この観察実験で大切なのは分類をすることそのものではなく、普段からの愛情表現を見直し、望ましい「安定型」へと近づけていきましょうということです。

<「好奇心待ち」で人見知りを打開する>

 初めての人に会った時、このように子ども達は自分が安心できる人、そうでない人を判断しています。その初めの一歩が無意識な人見知りであり、そこから様々な人と関りを持っていくことで意識的に自分を守ってくれる存在か?信頼関係を結べる人か?を判断できるようになっていきます。

 乳児さんであれば複数担任を取るので、子どもと相性があって当たり前です。まずは、安心できる先生を見つけることが大切なので、人見知りをする子に対して無理に関係を築こうとする必要はありません。無理に関係を築こうとすると逆効果にもなりかねません。日常の中で、楽しい活動の中でゆっくりと信頼関係を結んでいきましょう。 

 とはいえ、やはり何もしなければ人見知りがなくなるには時間がかかります。いつまでも、他の先生に甘えているわけにもいきませんし、その子が好きな先生が休みの日だってありますから、人見知りを少しでも早く解いてもらう努力が必要になります。

 その一つの方法としておすすめなのが子どもの「好奇心待ち」をすることです。ここでは敢えて意識的にその子に関わりを持ちません。

 もう少し具体的に言うと、その子の視界には入るのですがパーソナルスペースを侵さない距離を保って、他の子と遊んだり、何か楽しそうな活動(歌を歌う、絵本を読むなど)をします。

 パーソナルスペースは誰もが持っている、他者に踏み入れられたくない物理的な距離感のことを指します。

 みなさんも、恋人とは近くにいたいけれど、親友とはこのくらいの距離、あんまり話さない人とは少し距離を開ける、嫌いな人には近づきたくない。というような距離感をもっていると思います。誰かが近づいてきた時にあなたが不快に思ったり、一歩退くタイミングがあれば、それがあなたとその人とのパーソナルスペースということになになります。

 あなたに人見知りをしている子が安心してあなたを観察できる距離を保ちながら、何か楽しそうなことをしていたり、他のお友達が楽しそうに一緒に遊ぶのを見ていると、その内に「あれ?あの先生って楽しいのかな?本当は怖くないのかな?」と好奇心が出てきます。すると、あなたを目で追うことが多くなり、次第に少しずつ子どもから距離を縮をめてきます。

 ここで焦って、少し近づいてきてくれたからと急にスキンシップを図ったりすると、振り出しに戻るので注意が必要です。でも、ここまでくると本当に後少しのしんぼうです。

 数日もすれば、皆が集まりだした時にその子も一緒に居たり、離れていても一緒に歌を歌っていたり、絵本やあなたをじーっと見ていることが増えます。ここまできたら「〇〇ちゃんもする?」と声をかけてみたり、意識的にその子が何かしていたら声をかける、褒める、スキンシップを図るといった行動に移していきましょう。

 子どもの人見知りとは何かを知ると、子どもにとって生きていく上で必要な反応であって無駄なことでないと分かります。そして子ども達それぞれの安心感や心地よさに目を向けることができると、自然とどのように振舞うことで距離を縮められるのかが分かってくるかと思います。

 今回の方法も試しつつ、沢山の子と信頼関係を結んで楽しい保育生活を満喫してくださいね!

 では、また学ぼうね!

 

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