良く言えば「難解」悪く言えば「意味不明」~映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』~
※ネタバレある……かな?
園子温監督のハリウッドデビュー作……らしいけど、実は特に園監督作品のファン、というわけでもなく。
フライヤーを目にして、なんか変な映画っぽいから観てみた、という感じです。
はてさて、どんな映画かな……と期待しながら観ましたが。
非常に評価が難しい、と思いましたね。
もうファーストシーン、主人公「ヒーロー」と相棒が銀行強盗に入るところから、独特の世界観を感じました。
幻想的と言うか、狂気じみた、と言うか。
この時点で「ああ、この映画は頭で理解しようとしてはいけないのかもしれない」と、直感が働いたのです。
日本の遊郭とアメリカのマカロニウエスタンを混ぜた「サムライタウン」の描写はもちろん、そこで暮らす人々の言動なども含めて、悪い夢でも見ているような気分。
その傾向は舞台が「ゴーストランド」に進むとより一層進み、妙なキャラクターや世界観はますます悪化(?)していきます。
これを「芸術的」と評価することもできるでしょうが……なんでしょうね、残念ながら独りよがり、自己満足の妙な世界を見せられた、と感じてしまいました。
一部のファンに絶賛される、アングラ劇団の公演と言うか。
正直に言えば、私自身もこういう世界観は嫌いじゃないんです。
プレイステーションで遊んだ『クーロンズゲート』なんか、大好きでしたしね。
この映画とちょっと似たような雰囲気を感じるゲームでしたが。
でもこの『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』の世界観にいまひとつハマれなかったのは、ただただ「ストーリーが意味不明だったから」かもしれません。
いや、一応ストーリーとしては「うん、まあ、こういうことなんだろうな」というものはあるんです。
でもなんでしょうね、「だからどうした」みたいな、薄っぺらいものしか感じられなかったんですよ。
私の理解力が足りないのか、それともそもそも理解させようという気が制作側にないのか、それはなんとも言えません。
映像としては好きな部分が多いんですけどね。
なんとなく実相寺昭雄監督風と言うか、『ウルトラセブン』のメトロン星人の回とか、『ウルトラマンティガ』のマノン星人の回とか、シュールな映像美を感じさせられて。
うーん、だから私にとって、この映画は「なんとも惜しい映画」に感じられるんですよね。
ストーリーが壊滅的なので、日本受けしなさそうなのが残念だなぁ、と。
でも主演のニコラス・ケイジはなんか楽しそうに出演していました。
こういうの、好きなんですかね。
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