四季とピアノ #2「憂鬱と初恋」

四季とピアノ#2「憂鬱と初恋」


僕は、小学校へと入学した。

僕は、小さい頃から男たるもの愛する人は自分の力で守らなければならないという
昭和というか九州の人というか
そんな精神の両親だったから、僕は柔道クラブに入れられていた。

この頃だろうか。
そのクラブが内部分裂を起こした。

監督とコーチが分かれ、コーチが新しく
自分の道場を立ち上げた。


道場内でも、監督派とコーチ派に分かれた。
そりゃそうだと思う、監督はうちの市では柔道連盟のお偉いさんだった。
だから、色々と融通が効く道場だった。
ただ、圧倒的に強くはさせきれなかった。
だって、それをコーチが担っていたから。

ただ、なんかスポーツさせていたいなー。
ぐらいの人達はそのまま監督の道場に残った。
強くなりたいな。という人達は監督の元へと自ら行ったらしい。
ただ、コーチはとにかく柔道狂いで
自ら来てくれた人たちもいらない。となったら道場入門を断っていたらしい。


なんで他人事かって?
だって俺、内部分裂していた時、
蓄膿の関係で入院するかしないかで色々あって約1年ぐらい柔道をやめていたから。


そして、コーチから連絡が来た。
「うちの道場に来て欲しい」

あとから知った話だが、引き抜かれたのは
俺だけだったらしい。
さぁ、ここでとんでもない話をしよう。

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