腎細胞ガン療養記⑩:術後は痛みとのたたかいが待っていた
○手術当日
19日の9時に始まったダ・ヴィンチ手術。
手術そのものの時間は3時間程度と聞いていたが、麻酔の時間などを入れるとトータルで5時間ほどかかったようだ。
母と姉は、その間ずっと病院で待っていてくれた。
ありがとう。
手術室に入って麻酔が始まると、あっという間に意識がなくなり、次に目覚めた時には手術が終わっていた。
目覚めた瞬間に右腹部に激しい鈍痛があり、「あぁ、手術をしたんだなぁ」と実感した。
その日は、ひたすら痛みとのたたかいだった。
呼吸をするだけで痛い。
ちょっとでも身体を動かすと痛い。
今回、硬膜外麻酔(背骨から入れる局所麻酔)は使わなかったので、術後の追加での鎮痛剤は手首の点滴と一緒に入る仕組みだった。
この追加の鎮痛剤を使ってもほとんど効果を感じなかったが、硬膜外鎮痛でコントロールしていたら、少しは違ったのかもしれない。
水も飲めないので、寝たままでうがいだけさせてもらった。
微熱が続いて身体が熱いのに、水が飲めないのは地味にきつかった。
○手術翌日
手術の翌日は、ベッド上安静で過ごした。
前日と変わらない痛みと微熱が続き、とにかくつらかった。
担当医の回診の際に、
「想像以上に痛いです…」と告げると
「想像以上に痛がってますね」と相変わらずノンキな返事が返ってきた。
しかも、「あれー?硬膜外鎮痛の管がないね?もう抜いちゃったのかな?」ともぬかした(手術で使ってないのだから、あるわけがない)。
さすがの私も、この担当医に初めてイラッとした。
心の中で盛大に罵るくらいには、痛みで余裕を失っていたのだろう。
ごめん、先生。
この日から水を飲んで良くなったものの、自力で起き上がれず、水を飲むのにも看護師のサポートが必要だった。
とにかく痛すぎて何もする気が起きず、ひたすら寝ているだけなのだが、時間は遅々として進まない感じだ。
「日にち薬」とはいうものの、あまりの痛みに「本当に良くなるんだろうか…」と気持ちが負けそうになる。
止まない雨はない。
明けない夜はない。
同じように、この痛みも必ず終わる時がくると何度も呟きながら、ただ時間が過ぎるのを待つのみだった。
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