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【中国の人事部】中国人の人間関係構築を知る④ | 025

4)職場の人間関係は「会社の同僚」ではなく「自分との関係」

今回は第4回で、中国人の人間関係について、書いていきます。
吉村先生は中国人と台湾人との付き合いが30年近くになります(著書「中国人の面子」出版当時)。

しかし、こうおっしゃっています。「残念ながらそんなにたくさんの「タマゴ」を持っているわけではありません。自信をもって“タマゴの関係“と言えるのは、みなさんの期待に反して、せいぜい片手の指の数くらいです。“ライトなタマゴ“にまで範囲を拡大すれば、もう少し多くなりますが、“タマゴ“を“固い絆で結ばれた人を裏切らない仲間“と考えると、やはり4つから5つぐらいです。」のようです。

中国人の人間関係の音声収録はこちら↓

今回も吉村章先生の「中国人の面子」より抜粋をさせていただきます。

「タマゴ型コミュニティ」で重要なのは、数が多いか少ないかということではありません。ここで、「タマゴ」に向き合う姿勢で大切なポイントを3つ挙げてみます。

第一に、相手との距離です。人間関係を作っていくとき、いま自分が「タマゴ」のどの辺の位置にいるかを意識しながら相手とつきあってみてください。「外人」の位置にいるのか、急接近で「熟人」の位置まで近づいたのか、意識的に自分がいるポジションを確認しながら相手と向き合ってみてください。

「タマゴ」の外側にいるのか、入ろうとしているのか、入れてもらえたのか、しっかり入っているのか、相手までの距離と自分が立っているポジションをしっかり意識しながら相手と向き合ってみることが大切なポイントです。

第二のポイントは、八方美人になって「タマゴ」をたくさん作り出す必要はありません。「タマゴ」は多ければ多いほどいいというわけではないのです。誰とでも分け隔てなく平等につきあいたいと思うのが日本人です。しかし、中国人は人を見極める鋭い観察力と選別能力を持っています。みなさんも知り合う中国人すべてと「タマゴの関係」を作り出す必要はありません。人間関係を深めていく相手を探し出す見極めの能力を養うことも重要です。

第三のポイントは、もし「この人と人間関係を深めていきたい」という人に巡り合ったら、積極果敢に「タマゴ」の殻を割って、中に飛び込んでいくことです。みなさんのほうから意識的に「タマゴ」の殻を割って、中に飛び込んで行くことです。みなさんのほうから意識的に「タマゴ」の殻を乗り越えていこうとしないと、なかなか中には入れてくれないものです。積極果敢にタマゴの中に入り込むチャレンジをしてみてください。

一見フレンドリーな中国人でも、なかなかタマゴの中には入れてくれません。まだまだあなたのポジションはタマゴの「殻」の外側です。この「殻」を破ってタマゴの中まで入り込むことはそう簡単なことではありません。ここには大きな「壁」と高い「ハードル」があり、深い信頼関係を作り上げるためには、意識的にこの「壁」を乗り越えていこうとする努力とじっくりと時間をかけたアプローチが必要です。

中国人はタマゴの殻の内側の人か、外側の人かを明確に意識し、内側の仲間は「自己人」として大切にします。自己犠牲も厭わず献身的に仲間を支え合うのが「自己人」の仲間です。中国人は家族や仲間を大切にし、人と人との結びつきをたいへん大切にします。

しかし、できないことは「ノー」と言う。「タマゴの関係」はそういうものです。できないことを断ったとしても、あなたがタマゴから追い出されることはありません。「ノー」を「ノー」と言って壊れてしまうようでは、本当の「タマゴの関係」ではないのです。

次回は「5)自己人と熟人の間に朋友?」です。


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