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デンマークと日本の大学の違い

こんにちは。デンマーク留学中と言いながら、デンマーク関連のこと何も発信してなかったので、今回は旅の話題ではなくデンマークの大学の話をしたいと思います。

デンマークの教育制度は世界全体で見てかなり充実しており、これが僕がデンマーク留学を決めた理由の一つでもあります。

そんな、デンマークの大学で僕が実際に体感した日本との違いを3つ紹介します。


偏差値という概念

私が留学しているのはUniversity of CopenhagenのFaculty of Scienceです。

デンマークでは主にコンピューターやプログラミングについて勉強してます。

デンマークで初対面の人と話をすると、「何の勉強してるの?」と聞かれることが多いです。そこで、Computer Science と答えると、大抵次のように返されます。

「あ、じゃあ君はITU(IT University of Copenhagen )の生徒なんだね」

その度に、私は

「いや、KU(University of Copenhagen)だよ」

と答えるのですが、すると彼らは結構不思議そうな反応を返してきます。

これがまず日本とデンマークの大学の大きな違いの一つですが、大学に偏差値という概念がないです。

デンマークにはそもそも大学は7つしかなく、その中でどこが上でどこが下かというような考え方はしません。

唯一の違いは、何が学べるか。

なので、コンピューターサイエンスを学ぶのならば、より的確なのはITUだというのが、現地の人の感覚なのでしょう。

とりあえず偏差値の高い大学に行くことであったり、学べる内容よりもネームバリューにこだわって入学したりということがないのは日本との違いの一つだと思います。


奨学金制度

2つ目の違いは、奨学金の制度です。

ご存知の方も多いとは思いますが、デンマークは他の北欧諸国の例に漏れず、高福祉国家であり税金も馬鹿にならないくらい高いです。

しかし、その分の見返りも大きく、デンマークでは大学に行く全生徒に対しての奨学金制度がかなり充実しています。

この全生徒というのが凄く、成績による審査などは全くなく、大学に行きたい人は全員対象となります。

具体的には、SUという名前なのですが、月に最大で11万円強、しかも返済不要で最大5年間ももらうことができます。

そのため、経済的余裕がないため大学を諦めざるを得ないというような状況の子どもが発生することなく、学問の機会が皆に平等に与えられます。


ゆとりを持った将来設計

これが、僕がデンマークに来て一番衝撃を受けたことなのですが、時間の使い方に対する考え方がかなり異なります。

デンマークにはフォルケホイスコーレという、人生について考え直す学校のようなものがあります。

日本だと、浪人やギャップイヤーという考え方はあまりポジティブには捉えられないことが多いですが、デンマークでは焦らず自分の人生にゆとりを持って考え直す時間をとることが普通で、高校卒業後大学に入学せずフォルケホイスコーレに通う人も多くいます。

他にも印象的だったのが、隣の部屋に住むKarlaというデンマーク人学生です。彼女はなんと、高校を卒業した後中国で4年、日本でも1年留学して勉強した後、更にデンマークで大学に入り直しているとのことでした。

何故そんなことをしてるのかと聞くと、あっけらかんと

「勉強することが楽しいからよ」
「色々な国で勉強することで、色々なことが学べるわ」

と答えるだけでした。

日本のように、ストレートで大学を卒業して就職するという考え方が一般的でないのもデンマーク教育の特徴です。

ただ、最近はこういった考えが批判的に捉えられることもあるみたいで、高校を卒業後すぐに大学に通う生徒には補助金を出すというような仕組みも導入されているとか何とか。



単純にどちらが良い悪いではないと思いますが、デンマークの学問に対する経済的支援や、生き急ぎすぎず将来を考えられる文化は個人的には羨ましいなと思います。

どうすれば日本でも同様の支援や考え方を広めることができるのか。

どうすれば全員が平等に、かつ自由に学問に接する機会を与えることができるのか。

色々考えさせられます。

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