見出し画像

GW期間中、一度立ち止まって投げかけたい問いの数々 『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』

組織とは「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」であり、「二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステム」である。

アメリカの経営学者チェスター・バーナードは、組織をこのように定義しました。人間は社会的動物と言われており、多かれ少なかれ絶えず他者との関係において存在しています。

直近では、働く環境や生活のスタイルが変わり、改めて所属する組織について考えた方も多いはず。せっかくならば身近な組織をよりよい方向へ変えていきたい、そんな想いを抱く方にぴったりの一冊『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』をご紹介。

著者は株式会社チームボックス代表取締役 日本ラグビーフットボール協会理事の中竹竜二さん。サラリーマン勤務を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任。自律支援型の指導法で、2007年度から2年連続で全国大学選手権優勝し、現在はスポーツ界・ビジネス界の組織改革の普及に取り組んでいます。

本書では、チームや組織、企業の中で共有されている言葉にはならない価値観や習慣、クセ、いわゆる組織文化についてあらゆる角度から綴られています。

いくつか勉強になったポイントを紹介します。

ウィニングカルチャーとは何なのでしょうか。 それは、自ら問い続けることです。 「勝ちとは何か」「なぜ勝つのか」「どう勝つのか」「どこまで勝ち続けるのか」——。 一度導き出した「解」をあえて自分で疑い、自問を繰り返し、過去の成果に甘えることなく、自分の殻を破って謙虚に学び続け、進化や成長を止めないこと。 これが、私の定義するウィニングカルチャーです。

文明は、社会的なコンセンサスとして普遍的に共有される世界共通のモノサシです。一方で組織文化は、企業固有のモノサシです。

組織文化を定義する前に、まず組織文化が組織の中で働く人々に及ぼす影響について簡単に説明します。 通常、人は行動の5割から9割を無意識に行っているといわれています。 物理的な環境、その場の雰囲気、どの国に生まれたか、どんな地域で生活しているか。多様な要因に影響を受けた結果、人間はほとんどの行動を自動的な反応、つまり無意識下でしています。

組織文化を変えるには、そこに属する一人ひとりの反応や態度を解き明かし、言葉や行動を変えることが必要になります。一人ひとりの変化なくして、組織文化は変わりません。 そして個々人の反応を知るために必要なのが、感情や弱みをさらけ出すことです

事例が豊富であるため、より自分ごとに置き換えて読むことができる一冊でした。人数や規模の大小問わず、どんな組織も変わることができると勇気付けられます。

本書には「こうすれば、組織を変えることができる」と明確な正解が綴られているわけではありません。あるのは、組織を変えるヒントとなる「問い」です。読むたびに、新たな問いを投げかけてくれます。唯一正しい解がない中で、問い続けることがウィニングカルチャーを醸成する第一歩であることを教えてくれます。(この終わりなき「問い続ける」旅を、個人的に「問いストーリー」と呼ぶことにしました)

日々、時間に追われると、立ち止まって考えることが難しいところ。このGWは頭の中にあるモヤモヤを問いに変換して、内省を深めたいと思います。


ほかオススメしたい中竹さん関連の書籍


オススメしたい組織関連の書籍


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?