音楽よもや話 〜レコード青春時代編その3(HIP HOPの想い出)〜

RARE GROOVEのムーヴメントが起きた同年代に一方でUSでのHIP HOPのサンプリングムーヴメントも流行していた様である。お互いのシーンに影響しあった過去もありRARE GROOVEの曲の中にもHIP HOPアーティストにサンプリングされB-BOYにも御馴染みの曲なんてのもある。RARE GROOVEやこういった曲を知ったり演奏したりしていくと、HIP HOPが好きな層とも仲良くなっていくのも素敵な事である。

下記のExpansionsという曲は楽器演奏者からもカヴァーされ、HIP HOPにもサンプリングされる様な曲。ノリがありつつも、どこか浮遊感のある曲はコズミックな雰囲気もあってカッコいい。(当時働いていたお店の近くにあったHIP HOP系の洋服屋のお兄さんが教えてくれた。良くお店に来てくれ色々な音楽も教えてくれた。そういった現場での情報交換もレコード屋で働く魅力であった。)

Jimmy SmithのRoot Downも自分も演奏したりで思い出深い曲。サンプリングソースとしても有名。

こういった発見は非常に楽しい。

▽ULTIMATE BREAKS AND BEATS 

当時HIP HOPのあらゆる現場においてサンプリングソースやダンスチューンなどでおいしいFUNKやSOULの曲などが多く詰まったコンピレーション。当時のB-BOYのマストアイテムだった様だ。

自分はズブズブなB-BOYだったわけではないが、友人にもRAPやDJやっている人間がいたり通常の音楽イベントやテレビ番組でもHIP HOPが自然な形で共存している様な事は既にあった世代でもあり、わりと身近の音楽ではあった。何よりブラックミュージック好きな自分にとってHIP HOPはブラックミュージックがスタイリッシュな形としての完成系のイメージもあった。今でも、もちろん好きで良く聴くが私にとって、いまだに胸をワクワクさせてくれ憧れをもたらせてくれるジャンルである。

RARE GROOVE、SOUL、JAZZ、WORLDなどを取り扱うレコード屋で働いていた私は前述した様なサンプリングカルチャーとRARE GROOVEの影響が未だに色濃いHIP HOPアーティストやレーベルが好みであった。

Stones Throw Recordsは特に大好きであった。

MADLIBのこのアルバムはどの曲もBLUE NOTEの曲をサンプリングされ作られている。BLUE NOTEの曲のチョイスも素敵である。私のフェイバリット・アーティストの1人である。

Stones Throw Recordsにとてもハマり来日イベントがある度に遊びに行っていた。J RoccもPeanut Butter WolfもMDSGNも片っ端から観に行った。(中にはお店にも来てくれた。アーティストもいた。)

ドキュメンタリーのDVDも購入する程好きであった。

ある時、中でも大好きなアーティストMADLIBが来日する事を知った。私はもちろん、それを観にいった。MABANUAさんとKAN SANOさんとのセッションライブもあり非常に刺激であった。DJセットではブラジル音楽も多くプレイしており、そこも期待通りで感動であった。

後日、職場の人達に興奮気味に私は話した。

「本当に良かったですよー!皆も行けば良かったのに。」

その後いつも通り働いて昼休憩の番になり、いつも行く居酒屋ワンコインランチで唐揚げ定食を食べた。

そして昼休憩が終わり、店に戻ると皆ニヤニヤしていた。

どうしたんんだろうと思うと、ある先輩店員が一枚の写真を私に見せこういった。

「大林さんが好きな人来たよ。笑」

まじか?!その写真にはREGGAE担当の先輩とMADLIBが一緒に写っている写真であった。。。自分が昼休みに行ってる間に来たのであった。こんな漫画みたいな事あるのかよ、、と思い悔しい気持ちであった。。

そんなこんなで時々著名なDJやアーティストも来たりとHIP HOP的視点からもみても刺激的な職場であった。

つづく



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