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TICEコーチの吉見です✨
いつもご愛読ありがとうございます。

だいぶと投稿の間隔が空いてしまいました。
今日はちょっと普段のお仕事のエピソードを書いてみようと思います。普段は、こんなお仕事をしています。

エピソード①

脳梗塞になられた98歳の女性ご利用者。

女性ご利用者が脳梗塞で救急搬送された際に、ICUで娘さんとご利用者が対面した。

その時、ご利用者が娘さんに対して涙しながら

「ありがとう。ありがとう。あなたには本当に感謝しているんよ。今まで苦労かけたねぇ。よく頑張ったてくれたね。」

とおっしゃった。
日頃は認知症で会話がなかなか続かないような方だったが、この時はとても力強い言葉でそうおっしゃっていた。

その後、その場を離れて待合室に入って、ご家族とお話していたときに、ご家族が突然涙された。

静かにそのご様子を見守っていると、涙の理由を話してくださった。

その娘さんは、若いときに大学を目指しておられた。しかしながら当時は女性で大学に行く方は少なく、同級生のほとんどが卒業後は家事を手伝ったり嫁いでいくのが大半な時代。お父様から酷くしかられて、そんなものに行く必要はないと突っぱねられてしまった。お母様に相談しても、取り合ってもらえなかった。
その結果、大学受験は諦めて就職の道に進まれた。

その後結婚されて、大学進学の夢はお子さんたちに引き継がれていった。しかしながら、進学出来なかったこと、家族に応援してもらえなかったことに対してわだかまりを持ったまま、その日まで過ごしてこられていた。

そんな中、お母様が病室でしっかりとした目でおっしゃった労いの言葉に、

「母からあんな言葉を貰ったのは初めてです。しかも、最近あんなはっきりと物を言うこともできなかったのに、今日の言葉はとても力強く、はっきりと聞き取れました。今までの感情が、全て吹き飛んでしまうくらい嬉しかった。」

と涙されていたのです。

その後、ご利用者は1年ほどして沢山のご家族と職員に温かく見守られながらご逝去された。

ご家族が最後の挨拶の際に、

「あの時、母からのあの言葉をもらえたからもう心残りはありません。」

とおっしゃっていたのを未だに鮮明に思い出す。

こうした、さまざまな人生の岐路やご家族とご利用者の関係性の変化に身近に寄り添いながら支援していく、介護はやはり素晴らしい仕事だなと改めて感じた出来事だった。


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