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【DTU DAY6】デザイン思考と体験価値⑥

クラスの学び

2年間続けてきたクラスの振り返り記事はこれが最後。振り返りのブログは1科目あたり6本、21科目で125本(1回欠席しているので1本すくない)になった。

本クラスの最終回は、Day1からチーム課題として取り組んできたビジネスプランの発表。ターゲット顧客、顧客のゲインとペイン、発案したサービスをストーリーに乗せて、3分以内のプロモーション動画を作成した。

動画の発表後に講師やクラスメイトから質疑応答を受ける。調査や分析・考察が甘いと質疑応答に耐えられないので、順番が回ってくるまではチーム内にも緊張感が漂っていた。

僕らのチームははじめ、“インターネット社会における誹謗中傷”という課題に対してソリューションを考えようとしていた。しかしかなり難易度が高く、課題の捉え方も抽象的すぎたため、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作りながらグループワークを重ね、ピボットを経て“ハンドメイド作家をビジネスという観点で支援する”というテーマに落ち着いた。

限られた時間の中で納得のいくものはできたと思う。
が、発表後のフィードバックを受けるとまだまだ甘かったなと思う部分もあった。

特に、「顧客ニーズから出発しても、ビジネスプランを練っていく過程でサービス提供側の都合が優先され、顧客視点からどんどん離れていってしまう」という点。

たしかに、いつの間にか自分達が提供できる価値を中心にサービス構築していっていた感は否めないなと思った。これは実務でもあるなと思う。これが今回最大の学びだったかも。

あともうひとつの大きな学びは、「私にはスタートだったの、あなたにはゴールでも」。若い人は多分知らないと思うが、J-WALKというバンドの“何も言えなくて…夏”という曲の歌詞。

これはつまり、顧客は商品やサービスを買ってからがスタートなのに対して、企業側は売ることがゴールになっていないかという戒め。

クレイトン・クリステンセン氏の『ジョブ理論』では、購入をビッグハイア、使用をリトルハイアと表現しているが、顧客は商品を購入したりサービスを契約してから商品・サービスと付き合っていかなければならない。それに対して企業は商品を買ってくれたりサービスを契約するまでは一生懸命で、そのあとがおろそかになっていないかということだ。これは自社においても振り返って反省する点でもあるし、そういう会社が多いなとも感じた。

また、他チームの発表とそのフェードバックからも刺激を受けたし、グロービス最後のクラスとして印象深い回になった。

自分(自社)への落とし込み

サービス提供者側の都合を顧客に押し付けていないか?

これは難しい問題だ。介護保険制度の上の都合、自社の様々な都合を利用者や家族に押し付けていることは少なくないと思う。

「ウチではできません」と断るだけの人にならず対案を出そう。つい最近、自社の幹部会議でこんな話をしたことを思い出した。

全6回に渡ってデザイン思考のプロセスとポイントを学んだが、まさに顧客中心主義の考え方だった。これを自社にしっかりと落とし込むには、ひたすら頭を使い手を動かすしかない。

介護保険制度という仕組みの中で仕事をしていると、どこか制度脳になってしまってできることとできないことを切り分けて考えがちだ。その思考の枠をとっぱらって考えることが出発点だと思った。

介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/