おいたちはみんな大人になれんかった

気づけば43歳になった。

若いころ想像していた40代は、もっとしっかりした「大人」だった。我、40にして惑わず、なのかと思っていた。

身体は順調に加齢し、薄毛になったし、老眼が怪しいし、酒に弱くなったし、酒が抜けなくなったし、健康診断にはなにかしら引っかかる。「老い」は確実に感じる。

一方で「精神」や「生活」はどうか。

43歳。まだ週刊少年ジャンプを読んでいる。なんなら近所のコンビニで立ち読みしている。

買い物かごに酒をたくさん入れた状態で、ジャンプを立ち読みしているのを、息子の友だちの保護者に見られたりしている。

寒い日は、コンビニで肉まんを買うが、帰宅するまで我慢できず、歩きながら食べる。

暑い夏の日には、短パンにビーサンで、公園でブラックモンブランを食べる。

横断歩道の白いところだけ歩こうとするし、息子の顔の前で屁をこいたところ、勢いでちょっと実が出て、パンツについたりもする。

40にしても惑いまくっているし、昔想像していたナイスミドルとは遠い位置にいる。

この前、用事があって、久しぶりに高校時代の友だちに電話した。彼が電話にでたので「久しぶり。なんしよった?」と聞くと

「おお。今ちょうどポケカを開封しよった」

と言った。43歳にもなって、友人からポケモンカードを開封しているとの報告を受けるなど、誰が想像できたであろう。

おいたちは、みんな、大人になれんかった

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