写真の価値

一般のお客様ご家族の出張撮影をしてきました。
ご自宅にお邪魔して「昔のアルバムを家族みんなで見ているところ」の
写真を撮らせていただきました。
L版サイズに焼いて、紙の簡単な作りのアルバムに
収めてあるものが、何冊も保存してありました。
(20年前くらいの?)家の前で撮ったお正月の記念写真、
(30年前くらいの?)お父さんお母さんの結婚式の写真、
などなどを見て皆さんが懐かしがったり
笑ったり恥ずかしがったりしていました。

これこれ。
この瞬間こそ、この写真たちにとって一番幸せな瞬間だろうと
思うのです。
こう言っては大変失礼ですが、写真自体は構図がいいとか
うまいとか、そんなことでは決してなかったです。
いたって、普通の写真。
むしろ、目をつぶってたり。ブレてたり。ピントがあってなかったり。
そんなのがたくさん。
でも、むしろそんな写真の方が
その場にあった人を笑顔にすることができる。
写真を撮ったお父さんが写っていない。
完璧じゃないことが、沢山あるから
いろんな気持ちになったり思い出せることがでてくる。
それがやっぱり家族写真のいちばんいいところですよね。

今はスマホでいつでも撮れる。
すぐ確認できる。
何度でもやり直しがきく。
プリントなんてほとんどしない。
パソコンかスマホに眠ったままのデータ。
見返すことがあんまりない。
数少ない印刷ものとしては、
プロに綺麗に撮ってもらった写真。

そうやって綺麗なものだけ残していくって
自分で撮っておいてなんだけど、
なんか写真の本来の価値からずれていってしまっているようで
寂しいなぁー。

本来の価値なんて言い方はおかしいのかもしれないけれど。
私は綺麗に撮ろうとして撮っていることが多いけど
もっと現実は、ぐちゃぐちゃで
楽しいことだけじゃなくて
でも何か、かけがえのない温かいものがあって。

そういうのが昨日のご家族が見ていた写真には、ありました。
プロに撮ってもらうのはもちろんカッコよく美しく撮れる
体験として、オススメではあるのですが
別に上手じゃなくて良いから
素直に撮って、「たまには印刷して残す、みんなで後で見る」
っていうのも、ほんとオススメです。

じゃないと写真の価値が生かしきれなくて、写真が
かわいそう、と思ったのでした。

いろいろな気づきをくださった出会いに感謝。
ありがとうございました。

もしサポートいただいたらいつも他人に譲ってしまう傾向のある心やさしい旦那さまと、彼の大好きなカニを食べに行きたいです。応援よろしくお願いします。