見出し画像

【新社会人へ】大きな失敗をしないために小さな失敗を繰り返していけばいい~飲食店経営者が贈る6つのメッセージ~

株式会社イデアルを経営しています、和田 亮(わだ りょう)です。

4月から新社会人になったという方も多いでしょう。

学生から社会人への一歩を踏み出すということで、ワクワクしている一方、初めての社会に不安を感じている方もいるはず。

私もかつて30年以上前に「社会人への一歩を踏み出す」という経験をしました。

今回は私が社会に出た頃のことを思い出しつつ、新社会人のみなさまの役立つようなちょっとしたメッセージを書いてみました。

これからの人生の参考にしてもらえるとうれしいです!


高校生で家を飛び出し友だちと共同生活した若い頃。きっかけとなったものとは?

まずは私が社会に出るまでについて話そうと思います。

私は今でこそ新潟県に住んでいますが、元々は東京都出身。両親ともに教師という環境で育ちました。

両親はどちらも大学院卒で、「学歴が大切」「学歴がなくては一流ではない」という考えを持っていました。

※その頃の詳しい話については、初めて書いたnoteもぜひ参照ください

しかし、私は両親の「学歴がなくては一流ではない」という考えに疑問を持ちました

「では、学歴がなくても頑張っている大工さんやスーパーのレジ打ちの人は一流ではないのか?」と思うように。

そんな考えを持ち始めたのは、当時観た「摩天楼はバラ色に」という映画がきっかけだったかもしれません。

「摩天楼はバラ色に」はマイケル・J・フォックスが主演のアメリカの映画。カンザス州の田舎からニューヨークに出てきた若者が、大企業の中であの手この手を使ってトップに登っていく話です。

この映画のマイケル・J・フォックスは田舎生まれで大学院卒でもない。両親が私に言い聞かせてきた一流とはまったく違うタイプですが、まんまと大企業に入り込み出世を重ね、一流と呼ばれるようになります。

当時(1980年代)の映画や音楽などの風刺は、この映画のように反骨精神にあふれたものが多かったような気がします。「人の言うことを聞いて生きているのはかっこよくない」という雰囲気でした。

私は当時の雰囲気に触発され、両親の言うことを聞くのがいやになり高1で家を出ました。仲間と3人暮らしをすることになり、一気に社会へ。

ただ両親の言うような大学院を出た一流にはならなくても、何かによって成功し一流になりたいとは考えていました。

一流になるために、その頃の私が仕事に対して決めていたことが下記です。

①どんな仕事でも全力で取り組む
②向かないと思ったら次の職種を探す
③天職だと思ったらどんなに苦しくても貫き通す

これら自分で決めたことを守り、がむしゃらに働きました。高校生時代のアルバイトを含めると、20歳くらいまでに20回近く転職を繰り返してしまいました

上記の①~③も若い方へアドバイスしたいことではありますが、他にもぜひ若い方に知っておいてほしいことがあります。

ここからは若い方に向けてのメッセージを6つほど書いていきます


①好きなこと以外のことに挑戦する

今はインターネットが発達して、巷に情報が溢れている時代。その情報の中から自分の見たい情報を選択できる時代になりました。

「興味のあるもの以外は見ない」という若い方が多いかもしれませんが、興味のないものに触れることは社会で働く上でとても役立つこともあります。

自分の引き出しが多くなります。何かあった時の解決策がいくつも出て来ます。

1つの決まった方向からしか物事を見ていないと、行き詰まることもあります。

しかし違う側面や違う環境/立場からいつも見ているものを見てみると、また違った解決策が浮かぶことがあります。
 
例えば、イデアルはこの間「にいがた酒の陣2024」に参加しました。
 
朱鷺メッセの外のフードブースにテントを張り、その中でお客様に料理を振る舞う予定でした。しかし前日からの強風でテントが壊滅状態に…。

こういうピンチの時、いつもと違う状況になれていないと諦めてしまうかもしれません。
 
でも、私は仮設のフードブースを会場の端に作ってもらい、水道・ガスが使えない逆境の中、可能な限り頑張りました

立場を変えて、主催者なら、お客様ならどう思うか自分たちが『出来ない』と決めてしまって良いのだろうか?と、その環境でやれる全てのことを指示して全員で無駄なく動き、何とか場を立て直すことができました。

常に好きなものに囲まれているのはとても居心地いいと思います。しかし、たまには好きでないことにも触れてみるといいでしょう

こういうピンチに陥った時もチャンスに変えられるようなスキルを身につけられるかもしれません。


②文化に触れる

次に伝えたいのは文化に触れることです。

この文化も自分が興味を持っているものでも、またそれ以外でも【今まで経験してない】新しい何かに触れるといいでしょう。特に「先人の知恵」がつまっているものに触れると尚良いです。

例えば美術館は時期により催し物が変わり、いろいろな展示を行っています。定期的に足を運ぶと、さまざまな文化に触れられるのでおすすめです。

読書もいいですね!私からおすすめしたい本は森岡毅さんの「苦しかったときの話をしようか」です。

森岡毅さんと言えば、前にテレビで偶然見た「動詞で探す」という言葉にも感銘を受けました

将来のキャリアややりたいことを考える時、ついつい肩書(名詞)で考えてしまいがちですよね。例えば、「シェフになりたい」「社長になりたい」などです。

そうではなく、「料理が好き」「リーダーシップを取るのが好き」という「動詞」から考えるという方法です。

やり方ですが、まずはあなたの「好き」に当てはまる動詞をなるべくたくさん書き出して、下記の引用のように分類します。

書き出した動詞を、T(Thinking/思考)、C(Communication/コミュニケーション)、L(Leadership/リーダーシップ)に分類して、紙の左上にそれぞれ「T」、「C」、「L」、「それ以外」と明記してみよう。T、C、L、それぞれに、得意な行動があり、向いている職能がある。詳しくは『苦しかったときの話をしようか』に書かれているので、興味のある人は参照してほしい。

(引用:「森岡毅流「自分の強みを見つける」方法とは?【書籍オンライン編集部セレクション】」より)

例えば、このような好きが出てくるのではないでしょうか。

・考えるのが好き
・人と話すのが好き
・教えるのが好き
・チームプレイが好き
・誰かに喜ばれるのが好き
・知らないことを知るのが好き

好きがたくさん出てきたら、それをT、C、L、それぞれに分類してみましょう。

・T(Thinking/思考)…考えるのが好き、知らないことを知るのが好き
・C(Communication/コミュニケーション)…人と話すのが好き、チームプレイが好き、誰かに喜ばれるのが好き
・L(Leadership/リーダーシップ)…教えるのが好き

「T」が多い人は、研究や企画などの仕事に向いているでしょう。飲食店であれば、シェフなど料理を作る仕事です。

「C」が多い人は、営業や販売などの仕事に向いているでしょう。飲食店であれば、ホールなどお客様と多くかかわる仕事です。

「L」が多い人は、経営などの仕事に向いているでしょう。飲食店であれば店長などスタッフの上に立つ仕事です。

この「動詞で探す」なら「好きなこと以外のことに挑戦する」「文化に触れる」もやりやすくなるのではないでしょうか。

興味を持たれたら、ぜひ試してみてください。


③憧れを超える存在なろう

次は「憧れを超える存在になろう」です。

私はイデアルのお店のスタッフには私を通過点にして、私より幸せになってほしいと思っています。

もしかすると最初は「和田社長みたいな人になりたい」と思って入社したスタッフがいるかもしれません(笑)。動機はそれでも構いませんが、憧れを超える存在になってほしい

私と同世代の有名人には、若い頃から活躍している人が多かったです。例えば、貴乃花とか木村拓哉とか堀江貴文も同世代。

私はそういう同い年の有名人には憧れるというよりも、ずっとライバル心を感じていました

「貴乃花が今この状況だと音を上げるだろうか」「木村拓哉がこういう状態だと諦めるかな」と。「同い年のあいつができるんだから俺にもできるだろう」とずっと考えていました。

自分には憧れの人よりもライバルが必要でしたし、若い人にも「この人を超えたい!」という存在が必要なのではないでしょうか。


④見た目を大切にする

見た目を大切にするとは言っても、これは「見た目を良くしよう」「見た目を着飾ろう」というわけではありません。
※もちろん最低限の清潔感は必要ですが…
 
同じ見た目でも、これは態度のことです。
 
若い時についつい見栄を張ってしまう、プライドが邪魔をして素直に教えを乞いに行けない。これはとても勿体ないです。

学びたい姿勢を見せれば、必ず応援者は現れます。

若い時に必要のないものは見栄やプライドです。歳を取ってからもそうかもしれませんが、特に若い時はどんどん吸収して学びの姿勢を表に出しましょう。


⑤目標を具体的に決め、逆算して行動する

前に調理専門学校で教師をしていた時、学生のみなさんに夢を書いてもらったことがあります。

「将来自分のお店を持ちたい」なんて夢を書いてくれた方がたくさんいました。

その夢ですが、本当に叶えたいのであれば目標として具体的に決めましょう

例えばお店でも大きいのか小さいのか、どこにどんなお店を作りたいかなどを具体的に決めるといいです。

そして、その目標から逆算して「今の自分は何をすればいいのか」を考えて行動しましょう。

私も「社長になるにはどうしたらいいのか?」を考えて、そこから今の自分は何をすればいいのかを逆算して行動しました。

社長はたくさんの人の上に立つ人間です。そんな人間になるにはどうしたらいいのだろう?たくさんの人の上に立つ人間は、ついて来てくれる人に尊敬される人間にならなくてはいけない。

それなら、まずはいい先輩にならないといけないな、と考えて実行しました。

あのメジャーリーガーの大谷翔平も「目標達成シート」を作っていたと聞きます。目標を具体的に決めて逆算して行動するのは大切です。

もし「今は叶えたい夢がない」「目標が具体的に定まらない」というのなら、まずは目の前にあることを一生懸命やるといいでしょう。

いつか叶えたい夢や目標ができた時、「一生懸命やった」という経験はきっと役立つはずです。


⑥大きな失敗をしないために小さな失敗を繰り返そう

最後に伝えたいのは「大きな失敗をしないために小さな失敗を繰り返そう」です。

今の若い人は失敗を極端に恐れると聞きます。確かに失敗はいやですよね!気持ちはよくわかります。

でも、小さい頃を考えてみてください。小さい頃はやることなすことすべてが失敗だったのではないでしょうか?その失敗から学んで少しずつ成長して行ったのではないでしょうか?

多少大人になったとしても、失敗して覚えて成長して行くことは変わらないはずです。

ゲームも一回も失敗せずにゴールすることはできません。

ここまで話してきた「好きなこと以外のことに挑戦する」「文化に触れる」も「失敗した!」と感じたらやり直せばいいんです。

新社会人の皆さんにはやり直せるだけの若さがあるし時間があります。

私も仕事をしていて向かないと思ったら、次の仕事を探すことを繰り返していました。そして天職を見つけて今に至っています。

小さい失敗は大きな失敗を回避するものだと考えてみてはどうでしょうか?いろいろなことに挑戦し、大きな失敗をしないために小さな失敗を繰り返して、少しずつ成長していけばいいと思います。

・・・

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引き続きお店や会社のことをnoteに書きたいと思っています。ぜひチェックしていただければと思います。よろしくお願いします。

情報発信のためにX(旧Twitter)もやっています(アカウントはこちら)。フォローよろしくお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?