何故、アメリカの大統領候補者は若くないのか?
トランプ氏は、共和党大会の三日目、2024年大統領選挙の共和党候補者として受諾演説を行なった。
7月14日、ペンシルベニアでの演説会において銃撃された事件通じ、トランプ再選の機運が高まる中、対する民主党はバイデンおろしが始まったが、さりとて代わりになる候補者も見えてこない状況が続いている。
民主党にしろ共和党にしろ、高齢の大統領候補しか出てこない現状を、アメリカ湖民はどう見ているのだろうか?
共和党内部は、今回の大統領選をトランプ候補で乗り切り、4年後の大統領選で再度共和党が勝利する計画でいる。
今回、バイデン大統領への不信感と不支持の声が大きくなった要因は、トランプ氏との討論会が大きなきっかけだ。それまでもバイデン大統領の年齢が取り沙汰されてきたが、この討論会で決定的になったと言っていい。81歳のバイデン大統領と比較して「若さ」を感じるのが78歳のトランプ氏と言うのがなんとも皮肉なことだ。
では、バイデン大統領に代わる民主党候補者がいるのか?と言う疑問が湧く。この点を具体的な名前を出してBBCが予測しているが、いずれの候補者も決定的とは言い切れない。
BBCは、各州の州知事を中心に名前を挙げている。ただ、知名度の点で、いずれも弱い。最も知名度があるのが、カマラ・ハリス副大統領だ。
本コラムでも何度も指摘しているように、カマラ・ハリスは社会主義を提唱しトランプ前大統領時代に行われた移民政策を見直した。トランプ大統領時代、強烈な保護主義政策は時代の潮流に合わないとして、環境保護政策、移民政策、ジェンダーフリー政策の転換を行なってきたのだが、BLM運動をはじめ、現在のアメリカ社会の分断を引き起こしたのが民主党でありその止めを刺したのがバイデン政権と言えるだろう。
確かにバイデン大統領に比べれば、カマラ・ハリス副大統領は若いと言えるだろう。だが、彼女の場合、アメリカ社会の分断を生み出した元凶である極端なリベラル思想が災いし、またそのようなアメリカ社会を是正するどころか、より加速させたと言える。そんなことはアメリカ人は皆お見通しなので、今更、カマラ・ハリスを大統領に推すことはない。そもそも、トランプに勝てないことが現段階では容易に想像がつく。
頼りにすべき副大統領がこのような体たらくで、かつ、民主党の有力と言われている候補者ですら、全国区は一人もいない。これでは、民主党は勝てない。
以前から何度か指摘しているが、例えば、共和党候補にトランプ前大統領の娘イヴァンカ・トランプ、民主党候補にクリントン元大統領の娘チェルシー・クリントンが出てくるような大統領選になれば、大いに盛り上がるだろう。それくらい、アメリカ国民も驚くようなサプライズ候補が出てこなければ、大統領選は盛り上がらない気がする。
日本の政界と同じく、アメリカも若きリーダーが出てくることが大いに望まれている。
その大きな原因の一つが、今の社会の分断にあることは明白だ。
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