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「新しい領解文(浄土真宗み教え)」アンケート報告

2023(令和5)年5月24日

アンケート結果要旨

1. この文章が「平易でわかりやすい」の賛否は拮抗した。
2. この文章の布教・伝道効果には多数が否定的であった。
3. これまで仏教に縁のなかった人は、特にこの文章の拝読・唱和に否定的であった。

アンケート企画主催 「新しい領解文を考える会」事務局

1:アンケート目的

 2023(令和5)年1月16日に本願寺専如門主より発布された「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」のご消息前文では、「わかりやすい言葉で表現し、またこれを拝読唱和することでご法義の肝要が正確に伝わるような」とその発布の理由が述べられている。そこで、これまで仏教や浄土真宗に縁のなかった人に対して、この「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」が「わかりやすい」「ご法義の肝要が正確に伝わる」ものとして受け取られるかアンケートを行った。

2:調査概要

 アイブリッジ株式会社の提供するセルフ型アンケートツールFreeasyを利用し、全国の300人に対する意識調査を行った。
 具体的には、用意した5問の設問(この文章の印象3問、仏教との関わり2問)をインターネット上のシステムに入力。該社のモニター1300万人に対して告知を行い、300名から「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」を読んでもらい回答を得た。

調査日時 5月15日(月)
居住地 全国
平均年齢 53.62才 (この文章の対象と想定される20~69才にサンプル限定)

3:アンケート結果

設問1-1
この文章は平易でわかりやすい言葉、表現が用いられていると感じた

1:はい   145人 48.33% 
2:いいえ  155人 51.67%

*現代語を用いた表現であり、唱和のための語数や韻を意識した文章であったが、「平易でわかりやすい」の評価は拮抗した。

設問1-2
この文章を通して浄土真宗の教えの内容を明確に理解できると思う

1:はい  125人 41.67% 
2:いいえ 175人 58.33%

*「ご法義の肝要が正確に伝わる」ことを目指した文章であったが、約6割がこの文章では浄土真宗の教えが明確に理解できるものではないと否定した。

設問1-3
法要や集会に参加する人に、この文章を繰り返し拝読や唱和することを促すことで浄土真宗は広まると思う

1:はい  99人 33%
2:いいえ 201人 67%

*拝読や唱和による浄土真宗の布教・伝道効果については、3分の2が否定的であった。

設問2-1
以下の設問では、あなたの浄土真宗や仏教との関わりをお答えください。

あなたは浄土真宗の門信徒(檀家・信者)ですか?

1:はい  45 人 15% 
2:いいえ  204人 68% 
3:わからない  51人 17%

*サンプル300人のうち15%が浄土真宗の門信徒と答えている。この割合は、『宗教年鑑』(文化庁)等の統計とも符合するため、サンプルの一般性を担保する結果でもある。

設問2-2
あなたは普段仏教と関わりがありますか?一つだけお答えください。

*アンケート回答者の9割近く(選択肢4・5)が能動的に仏教と関わっていない。

4:クロス分析

これまで仏教に縁のなかった人たちが、この文章にどのような印象を持っているのかを設問1-3と2-2でクロス分析を行った。設問2-2で「4:葬儀や法事、墓などに儀礼上参る」「5:ほとんど関わりがない」と答えた人の回答が次のとおりである。

*該当者263人のうち、この文章の拝読や唱和による浄土真宗の布教・伝道効果(設問1-3)に「いいえ」の回答を示したのが約7割であった。特にこの否定的傾向は「5,ほとんど関りがない」において強いことがわかる。

5:アンケートまとめ

 現代語で書かれた「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」は、これまで仏教に縁のなかった人へ浄土真宗のみ教えを伝えることを目的とし、様々な場面で拝読・唱和が促されている。
 漢文や古文による典型的な仏教文章に比べ、現代語で説かれているこの文章は半数程度が「わかりやすい」との評価をしている。しかし、この文章が教義理解や、布教・伝道に資するかについては、否定的な回答が多数を占めた。
 さらに、この文章が対象と想定している仏教にほとんど縁のなかった人は、拝読・唱和による布教・伝道効果に対して約7割が否定的見解を示している。

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