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ジャンパー膝を防ぐ

バスケットボールはジャンパー膝の発生率が高いスポーツです。

原因として
①ジャンプや動作が多いバスケットボールは膝が前方に動きやすいため
②腰が低い状態でストップ動作を繰り返すため
が考えられます。

しかしジャンパー膝はただのオーバーユース(筋肉の使いすぎ)ではなく、痛みを引き起こす選手には原因があり関節の可動域筋力の不足、関節の不安定性などによるマルユース(身体の使い方の問題)によるものがほとんどです。

ジャンパー膝は炎症が続くことで慢性的な痛みやパフォーマンス低下を引き起こすため日々のケアやトレーニングが必要となります。

今回はジャンパー膝を防ぐためにどのようなケアやトレーニングをしたら良いか??をお伝えしていきます!!

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ジャンパー膝とは!?

ジャンパー膝は、バスケットボール選手やバレーボール選手などのジャンプ動作を繰り返すスポーツに好発します。ジャンパー膝は太もも前面の筋肉が過剰に働き、骨に付着する腱の部分で炎症が起き、痛みを引き起こす疾患です。

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症状は、徐々に進行していき慢性的な痛みを有している選手は少なくありません。症状の初期はスポーツ時やスポーツ後の痛みのみですが、痛みが増悪するとパフォーマンスの低下を引き起こします。

ジャンパー膝の痛みの部位は以下のように分かれています。

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ジャンパー膝の痛みの多くはこの3つで「お皿の上、お皿の下、スネの付近」の痛みです。

中でも、一番注意しなければいけないものは「お皿の下」の痛みです。お皿の下の痛みは重症化しやすく、強い痛みを引き起こしやすく症状の軽快に時間を要することがあります。慢性的に膝の痛みが出ている方は医療機関に受診をしましょう!


徐々に進行していく怪我であるため練習参加しても良いかと選手から多く聞かれます。

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Phase1というのは一番症状が軽い状態でPhase4にかけて症状が重くなっていきます。

Phase1〜2の状態は膝の痛みはあるものの、運動を制限する必要はありません。練習後に膝周りのアイシングや練習前にしっかりとウォーミングアップを行うことで改善を図りましょう。行った方が良いトレーニングは下記に記します!!

Phase3はスポーツ中に痛みを生じてしまった状態です。
この場合は痛みが慢性的になり改善が難しくなることがあるため運動を中止しましょう。この状態が続き、お皿についている腱や筋肉が傷ついてしまっていた場合、断裂をする危険性もありますので、スポーツ中に痛みを引き起こした場合は医療機関に受診をしましょう。


重度のジャンパー膝について

痛みが強いジャンパー膝の特徴的な状態として、お皿の外側への移動が見られます。お皿は大腿骨(太もも)の上に沿って、上下に動くことができます。大腿骨(太もも)に沿って動くことで安定して動くことができます。
しかし、重度のジャンパー膝はお皿の外側の筋肉が張ってしまい、お皿の位置が外側へ移動します。

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結果、お皿の動きが悪く・不安定な状態となり、痛みの強いジャンパー膝を引き起こしてしまいます。硬くなった膝の外側はしっかりと解し、お皿が太ももの中央にくるようにしましょう。

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ジャンパー膝を予防する方法

ジャンパー膝になる原因は膝前面の筋肉が過剰に働いてしまったことが原因です。

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前ももの筋肉は非常に大きく強い筋肉であるため使いすぎてしまうと関節を壊してしまう恐れがあります。では、大腿四頭筋を多く使うバスケットボールにおいて「ジャンパー膝」をどのように予防すれば良いでしょうか?


一つ目は裏ももの筋肉が働いてくれることで、膝が前方にいく力のブレーキを掛けてくれます。膝が前に出る際には、前ももだけではなく裏ももが働いてくれることで前ももが過剰に働かなくなります。

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二つ目は足首の筋肉によるブレーキです。膝が前方にいく力に対して足首を伸ばす力が働いて前ももの筋肉の過剰な働きを抑えてくれます。

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動きの中で膝が前方に出た際、裏もも・ふくらはぎの力によりブレーキを掛けてくれることが重要です。


また大腿前面だけではなく、膝関節外側が過剰に働いている状態は重度のジャンパー膝を引き起こす要因となります。以下のチェックを行います。

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下肢を一直線にしながら上体を下げていきます。

その際に、「お尻が外に出てしまう」「膝が内側へ入ってしまう」などのエラーは膝外側が硬くなりやすい状態を引き起こします。

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ジャンパー膝予防に必要なトレーニング

①足首のケア・トレーニング

足首のケアに関してはこちらからご覧ください。


②膝のケア

<膝外側のケア方法>


<膝前面のストレッチ>


③股関節の柔軟性
<股関節の可動域チェック>

<股関節のストレッチ>

<裏もものトレーニング>

【Half Kneeling Rotation】

【Split Ded Lift】

両足を前後に開いた状態で、軽く膝を曲げます。踵付近に体重をかけながら股関節のみを曲げていきます。その際、腰が丸まったり、膝が前に出ないように注意しましょう。


<裏ももとふくらはぎのトレーニング>
【Knee bent Calf Raise】

両足を左右に開いたスクワットのポジションを取ります。
 膝が前方に出ないように注意しながら踵を上げ、ふくらはぎに力を入れます。母指球・小指球が均等に体重がかかるよう踵を上げていきます。


【コンビネーション Calf Raise】
片足でSQを行い、身体が起き上がると同時に足首を伸ばします。

まとめ

・膝前面と外側が過剰に働くとジャンパー膝を引き起こす
・ジャンパー膝の痛みは練習中も痛みが出現していたら原則運動は中止する
・裏ももとふくらはぎの力が膝が前に出る時のブレーキとなる
・膝外側が硬くなると重症化しやすい


参考文献

ジャンパー膝を治す:sports medicine.2012

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