バスケットマンのための栄養
※こちらの内容は主に高校生から上のカテゴリーに適応するものです。
バスケットは激しいコンタクトやダッシュ・ストップを繰り返すスポーツであるため、身体の中の栄養状態によってパフォーマンスが変化することは言うまでもありません。
身体付きが良い選手がコンタクトで有利であること、リバウンドなどのジャンプ動作で競り勝つことができます。
身体付きを良くするために日々の食事は欠かせない要素となりますので、参考までに日々の食事を見直してみてください!!
目標体重と除脂肪体重
体重を測ることで身体の状態を簡単に知ることができます。摂取したエネルギー(食事)に対して消費エネルギー(運動によって使ったエネルギー)が少ない場合は体重が重くなり、摂取したエネルギーに対して消費エネルギーが多い場合は体重が減っていきます。この変動を把握することで摂取するエネルギーが足りているか、減っているかを確認する指標になります。
ポジションにもよりますがバスケットでは体重が多い方がコンタクトに打ち勝つことができるため、体重を増やすべきであることが考えられます。以下は年代別の目標体重になります。
【年代別 目標体重】
高校生:身長ー100 BMI:24~25
大学生:身長ー98 BMI:25
体重が増えても脂肪量が多いのでは動くことができません。そのため、体重から脂肪組織を除いた重さである除脂肪体重を増やすことが重要です。そして、体重にしめる脂肪の重さの割合を体脂肪率と呼ばれます。体重が同じアスリート2人いれば、除脂肪体重が多く、体脂肪率が低い方が良いとされることが一般的です。
以下はポジション別の目標体脂肪率です。
【目標の体脂肪率】
ガード:9.5% フォワード:11% センター:12%
女性:17%以上
*女性では体脂肪率10%以下では100%、15%で50%が無月経が確認されるとのことです。
無月経はエネルギー不足であり「疲労骨折」のリスクが高まります。正常な月経が維持できる状態を保ちましょう。
体脂肪率は体組成計にて測ることができます!!除脂肪体重の計算式は以下になります。
除脂肪体重=体重ー(体重✖️体脂肪率/100)
必要エネルギーとは!?
バスケットのトレーニング期における消費エネルギーはおおよそ3500kcal程度と言われています。しかしながら、筋肉量やトレーニングの時期によっても必要エネルギーは違うため各個人の計算が必要となります。以下はJISS式の推定必要エネルギーの計算方法となります。
【JISSの推定エネルギー 必要量】
推定エネルギー必要量=徐脂肪体重✖️28.5kcal(除脂肪体重1kgあたり28.5)✖️身体活動レベル(練習は2.0 オフは1.75)
となります。
【例えば70kgで体脂肪率が10%の選手がいた場合】
除脂肪体重は | 70ー(70✖️0.1)=63kg
推定必要エネルギーは | 63✖️ 28.5✖️2=3591kcal となります。
70kgで体脂肪率10%の選手が必要なエネルギーは3591kcalとなり
これ以上の摂取をした場合は体重は増量し、これ以下を摂取した場合は体重は減量となります。
エネルギー摂取のバランスは以下になります。
【エネルギー産生栄養バランス】
糖質:約60% 炭水化物 4kcal/g
タンパク質:約20% 4kcal/g
脂質:約20% 9kcal/g
【70kgで体脂肪率が10%の選手がいた場合】
3591kcal の約60%である 2154kcal を炭水化物から
3591kcal の約20%である 718kcal をタンパク質から
3591kcal の約20%である 718kcal を脂質から
摂取することが望ましいと考えられます。
練習内容から栄養を考える
アスリートは練習内容でも摂取する糖質・タンパク質の量を変更する必要があります。糖質の取り方は以下になります。
【糖質の取り方】
・低強度のトレーニングを継続して実施した場合 5~7g/kg
(走る量が少ない練習 例:戦術やシューティング)
・中〜高強度の持久性運動を実施した場合 7~12g/kg
(走る量が多い練習 例:スクリメージ、ラントレーニング)
・1日に運動時間が4~6時間以上で強度の高い運動を実施した場合 12g以上/kg
(1日の練習量が多い 例:合宿や遠征)
【70kgの選手が4〜6時間以上の強度の高い練習をした場合】
70kg ✖️12g=840 g の糖質が必要です。
840➗ 3食分=280g 1食あたり 280g の糖質を取るという計算になります。しかし、280gを一気に取ることは困難であることが多いため捕食にて摂取をしていきます。
以下簡単な食事の糖質の量です。
【タンパク質の取り方】
・練習のみをした場合:1.2~1.4g/kg
(フロアでの練習 等)
・筋力トレーニング をした場合 1.4~1.7g /kg
(ウェイトトレーニング 体幹トレーニング 等)
・持久力トレーニングをした場合 1.2~1.4g/kg
(インターバルトレーニング サーキット 等)
【70kgの選手が筋力トレーニングをした場合】
70✖️1.7=119 g のタンパク質が1日に必要になります。
119g➗3食 = 40g となるため 1食に40g のタンパク質を取る必要があります。40gを一気に取ることは困難であることが多いため捕食にて摂取をしていきます。
以下簡単な食事のタンパク質の量です。
参考文献)
・パフォーマンスを高めるためのアスリートの栄養学:清野隼
・基礎から学ぶ! スポーツ栄養学:鈴木志保子
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