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難民の問題から日本の「収容」の問題について考える

今回は、名古屋入管でのスリランカ人女性の死亡事件もあって、耳にすることが増えてきた外国人の「収容」の問題についてまとめてみます。

まず、日本には入国管理局に外国人を収容する施設があります。5、6人雑居で入れられ、自由を拘束されます。入った方ほとんどの人は「刑務所のようだった」と言います。

この収容の目的について、日本政府は「全件収容主義」といって、在留資格がない人、不法滞在、不法入国の人など、退去強制する理由がある人はその事実だけで、難民申請中であるといった個別の事情や逃げる可能性がある、ないに全く関係なく、移動の自由を奪う、つまり収容することができると言っています。
ですが、本来「収容」とは、強制送還を実現するためのものです。あらゆる法的手段を尽くした最後になされる措置であるべきです。

では、この問題が難民の方にどのように関わってくるのか。
まず、日本に難民として逃れた方が収容される例は大きく以下の4つです。

1. 偽造パスポートで入国した人
2. ビザを申請した際の来日の目的と実際のそれが違うとして上陸を拒否され、空港で収容された人
3. オーバーステイ後に難民申請をした人
4. 難民申請が不認定となり「特定活動」による在留許可がなくなってしまった人

仮放免で外に出るには保証人や保証金が必要ですが、当然難民の方は日本に頼める知り合いもなく不可能です。
また、悲しいことに、施設内では人権を無視した不当な扱いが平気で行われているのが事実です。現に今年の3月に名古屋入管でスリランカ人女性が亡くなってしまったりしています。

では他国ではどうなのか

例えば、イギリスの場合は、収容中に英語やPCスキル、Webサイトの作成方法などを無料で教えています。2014年にはFacebookの使用も認められています。

また最も大きく異なる点が仮放免の手続きについてです。
まず、イギリスの場合、保釈の審査は入管なく難民移民審判所が行います。収容された人は、収容施設の中から無料でfaxで難民移民審判所に保釈を申請できます。申請が出されたら、審判所は原則、3営業日以内に公開法廷をしなければなりません。そして、仮放免に反対する場合、審判前日の午後2時までに反対する理由を本人、弁護士がついている場合は弁護士にも送らなくてはいけない。人の身体の拘束に関わるということから、とても迅速に進められ、判断結果の理由についても開示されます。

一方日本では、仮放免の審査は入管が行います。また、その期間は申請書を提出して、1か月で結果が出たら非常に早く、2、3か月かかることがザラだそうです。そして許可・不許可に関わらず理由は明らかにされない。この点はが非常に不透明であると言えます。

中には、犯罪者(オーバーステイなど)なんだから仕方がない。自己責任などという意見も飛び交っていますが、本当にそうでしょうか?
身体の自由というのは人権の中でも特に尊重される権利であるはずです。事実、日本国憲法では「自由権」として「精神の自由」、「人身の自由」、「経済活動の自由」が保障されています。
この「収容」の問題はそのすべての自由(人権)を侵しています。
果たして本当にこれが妥当な措置でしょうか?

ぜひ、みなさんのご意見についてもシェアしてもらえるとうれしいです。
また、今回の執筆によって、私自身まだまだ知識が浅いと感じました。
難民問題に関わる当事者としての責任感をもって今後も学びを深めていきます。
最後でお読みいただきありがとうございます。

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