スクリーンショット_2019-05-24_16

経営者が求めるマーケッターとは ―部分最適から全体最適へ― #マーケティングアジェンダ DAY3

スピーカー
株式会社サイカ 平尾さん
株式会社デジタルシフトウェーブ 鈴木さん

そもそも経営って?マーケッターって?今のマーケティングの課題は?

平尾さん「鈴木さんはいろいろな会社の経営に携わってこられたと思いますが、経営とは何か?と聞かれたら?」

鈴木さん「3点に絞ると、方針を決める、組織を整える、方針に向けて持続的に実行していくことかなと思う」

平尾さん「それでは、マーケッターとは?」

鈴木さん「マーケティングを担当した時に調べたことによると、お客様のニーズを捉えて持続的に売れていく仕組みをつくること」

平尾さん「To-Beを話す前に、As-Isを話してみたい。顧客起点で売れる仕組みを作るマーケティング以前の課題感について、鈴木さんにまとめていただく」

鈴木さん「経営者とマーケッターにギャップがあると感じている。
まずは、メディアが激増している。PC、ケータイ、スマホ、ソーシャル。これからもIoTで車がしゃべりだしたりとか。経営者に多いのは、PC世代までは追いついているけど、そっからさっぱり、という人。GRPは理解できるけど、CPAやエンゲージメントがわからない、など。
報告はされるけど、正直わかったふりをしていることも多いんじゃないかなと思う。ポジショントーク合戦と呼んでいる。

経営者は考えることがいっぱいある。CFOと財務状況を話し、CTOヤCIOと新しいテクノロジーについて話す。そのなかでどこに投資したら一番リターンが来るのかという経営判断をする必要がある。
そういったなかでは、経営判断をする上で投資対効果がわからなかったり、会社全体の適切な予算配分がわからなかったり、ということが課題になる。
CMOやCIOに経営目線が足りていないケースも多いんじゃないかなとは思う」

マーケターに求められることは?

平尾さん「その二つの課題を解決したいと思ってつくったソリューションがマゼラン。鈴木さんであれば、どのように活用できると思った?」

鈴木さん「一番最初に思ったのは、経営トップに話しやすいなと。もう一つは、使っているとその担当者が経営視点をもてるんじゃないかなと」

平尾さん「ありがとうございます笑 それでは、最後に、経営者の求めるマーケッターとは?」

鈴木さん「まず、ひとつは、経営視点で考えて実行してくれる人。2011年に、突然、新しい視点を期待されてグループマーケティングの責任者になった。当時、某人気アイドルとコラボしたビストロ弁当を作って、すごく成功した。
プロセスとしては、まずはテレビ番組を見ていて、この番組とコラボしたお弁当作ったらいけるかな、と思いついた。なかば意地で相手企業のトップに飛び込みで交渉しにいった。交渉結果をもって、みんなを説得し、最高のチームを作った。そして、チームの思いを背負って、経営トップを説得し、承認を得ることができた。顧客視点で考え、自ら行動し、周りを巻き込み、トップを説得する。これがマーケッターの仕事かなと思う」

平尾さん「これって、ともすると鈴木さんじゃないとできなかったことかな、とも思ってしまうが、マーケッターが成長していくためには?」

鈴木さん「一番早いのは、経営者を目指すことかなと。経営の求めるマーケッターは、経営視点かつマーケティング技能があり、かつ固有の素養(タイプ)がある人。素養には二つの道があると思う。一つは、リーダータイプで、その人は経営トップを目指せばいい。もう一つは、参謀タイプで、こっちは経営参謀を目指すのがいいんだと思う」

平尾さん「新しいメディア、コミュニケーションの体験がどんどん増えていくなかで、見るべき指標も増えていく。施策視点のみに立った個別最適に陥ってしまいがち。そのなかでマーケッターには顧客視点と経営視点が求められていくのかな、と思う」

堀田の所感

昨日の楽天CMO河野さんとパナソニック山口さんのマーケターのキャリアに関するパネルディスカッションと合わせて、マーケティング担当としてのキャリアについて、視座が上がり、かつ深く考えさせられる内容。

楽天CMO河野さんと鈴木さんのおっしゃっていたことは奇しくも共通している部分はあって、経営においてマーケッターが果たせる役割は「経営に顧客視点を与えられる」ということかなと。
顧客の声を経営およびビジネスに翻訳することがマーケティング担当者の仕事。「経営目線」かつ「素人目線」を行き来できる人になりたいなと思った。

この記事が参加している募集

イベントレポ

最後までお読みいただきありがとうございました! サポートいただいた金額は、さらなるインプットにあてさせていただきます。 今後とも何卒よろしくお願いいたしますm(__)m