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「聴く」は、楽しい

日々、いろんな人に話を聴いています。

コロナ禍によって人と会う機会が減少したことにより、意識的にコミュニケーションの機会をつくりはじめたことも関係しています。文章を書きはじめた時、「書く」は技術だと思いました。ラジオの仕事をはじめた時、「話す」は技術だと思いました。「対話」を人生のテーマに決めた時、「読む」も「聴く」も技術であることに気付きました。

「書く」「話す」「読む」「聴く」、全て技術です。つまり、目的意識を持って臨めば、磨くことができます。やみくもに量をこなせば上達するというわけではありません。仮説を立てながら観察し、想像し、行動し、検証する。そのようにすれば、ただ「黙っている人」からでも学ぶことができます。

いろんな人の話を聴いていると、勉強になります。話の内容はもちろんのこと、ことばの選び方、息と間、待つ姿勢、ことばにしたこととしなかったこと。「話す」を考えるよりもずっと情報量が多い。よく言われることですが『「聴く」が上手になるほど「話す」が磨かれていく』というのは、そこに理由があるのかもしれません。

「インタビュー」という厳めしい形式でなくとも、日常のコミュニケーションでも「聴く」という技術は役立ちます。ぼくはよく人から相談を受けるのですが、相手の話を聴いているだけで解決の糸口は見えてきます。話し手は、本質的な課題を自ら発見すると、ご機嫌になって帰っていきます。それは、「たくさん話してすっきりした」というわけではありません。明らかに「進むべき道が見つかった」というクリアな感覚を獲得しています。感情のゆらぎを言語化して辿っていくと、多くの場合はそこに答えがあります。ぼくは相手の話を聴いていればいい。

「聴く」を通して、新しい自分と出会えたり、成長できることは楽しいものです。ただ、「聴く」を通して、相手が喜んでくれることは、もっと楽しくてうれしいものです。この「楽しい」という感情を共有できたり、広まってゆくと素敵ですよね。

そのためにも、もっと「聴く」を探求してみようと思います。結果として、「話す」も「書く」も「読む」も洗練されていくような気がしています。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。