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書くことは、超楽しい。

「書くこと」は超楽しい。

僕は文章を書くことを仕事の一つにしています。
ここで改めて「書くこと」のすばらしさを記しておこうと思います。
とても個人的な考えなので、「そうじゃない」という人もいるかもしれません。
でも、それは〝自分の中の正解〟が違うだけで、「書くことはすばらしい」ということに変わりはないと思っています。


1.頭が整理される

考えることを整理する時に「書くこと」は便利です。

〝鉄鋼王〟として名高いアンドリュー・カーネギーの話を誰もが一度は聞いたことがあると思います。
あまりにも多くのことに悩まされていた彼は自殺を考えます。
そこで遺書を書くですが、その理由として今抱えている悩みを箇条書きにしていきました。
すると思ったほど悩みがなかったことに気付き、自殺することをやめたという話です(多分こんな話だったと思います。記憶を引き出しながら書いていますので、正確な情報はググってみてください)。

彼は「解決できないほど、自分は多くのことに悩んでいる」と思っていたのですが、その一つ一つを紙に書いて可視化させる(見える化)ことで「問題はいくつあり、どの問題を、どの順番で」処理していけばいいのかがわかりました。

問題を解決するために交通整理をした。


それだけで十分価値のある効力だと思うのですが、さらにうれしい発見があります。


それは「書いているうちに自分が考えていたことがわかる」ということです。
先ほどの「問題が整理される」ということとはまた違い、「書きながら、自分自身を発見していく」という大きな気付きがあります。

文章を書く人ならばたいてい共感してもらえると思うのですが、万端の準備の元「このことについて書く」と思って書きはじめるよりも、「まだまとまっていないけど、とりあえず書いてみる」とふわふわした思考のまま書いていく中で「自分はこんなことを考えているんだ」ということに気付く、ということが多々あります。

つまり、書きはじめた当初は靄がかかった状態で歩きはじめたのに、書き終えた頃になるとすっかり視界が良好になっている、ということです。



2.心が整理される

1の「頭が整理される」と同じように、心もすっきりとします。
頭の靄を晴らすこと心の靄を晴らすことは似ています。
心の方が言語化されていない〝感情〟のため、整理することは難しいかもしれません。
ただ書くことを通して、実感として心に大きな影響を与えます。

身の回りで起きていることを書いたり、自分が考えていることを書いたりしていると、自分の感情の流れと並走することができます。
感情の流れと並走していると、「自分が今どういう気持ちなのか」ということが感覚として解かるのです。

実は感情というものは複雑なものです。
「うれしい」とか「悲しい」とか「腹が立つ」とか「辛い」とか…
感情を表現するための言葉はたくさんありますが、僕たちの心はそんなにシンプルなものではありません。
日々、生活する中で僕たちは様々な感情を抱いて暮らしています。

例えば、当たり前のように「うれしい」と「悲しい」と「腹が立つ」と「辛い」を同時に抱えて過ごしているのです。
色で置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。
「うれしい」がピンク、「悲しい」が青、「腹が立つ」が緑、「辛い」が赤。
この4色がきれいに分断されて一つの柄になっているのではなく、4色はアンバランスに混ざり合ってまだら模様のように存在しているのです。
その色彩のバランスで、無理矢理「ピンク=うれしい」とか「青=悲しい」ということで強引に自分を納得させているのです。

ただ、書くことを通して複雑に絡み合った感情を整理することができます。
〝何か〟について書いている時というのは、その〝何か〟に意識を集中することになります。
マインドフルネスのようですが、「今、ここにある一点に集中して言葉を紡ぐ」ことで、書く速度に並走して感情が想起されます。
記憶の追体験は、常に感情の想起を伴います。
その湧き立つ感情を肌で感じながら(この場合、肌の下かもしれません)、言葉に置き換えていく。
マーブルの感情がその瞬間シンプルなものとして浮き上がります。

「このまだら模様は、幾層ものレイヤーでできていたのかもしれない」

ピンク、青、緑、赤の4色は、実はシンプルな色が重なり合って(丸で色のついたシートを重ね合わせるように)できていたことに気付かされるのです。
一つのことを書いていると、一つの層に滞在することができます。
その浮き沈み(高低)も書きながら体感することになります。

そして「自分はこんな気持ちだったんだ」ということに気付くのです。


書くことはデトックスです。
自分の中でこんがらがっている考え事や感情が整理された時───わからなかったものが解かるようになった時、人はすっきりします。
最大の不安は「よくわからないけれどダメなんだ」ということです。
書くことを通して、それらが整理されていきます。


3.「自分」のことがよくわかる

1、2を通して、書くことで自分を整理していきました。
「自分」のことについて、書く前よりも詳しくなります。
何を考え、何を想い、何が好きで、何が苦手なのか。

あらゆる表現において「自分らしさ」というものが求められています。
いくら技術が高くても、そこに「その人らしさ」がなければ、誰かが作った価値観の二番煎じに過ぎず、記憶に留まりません(その人が表現する価値がないということです)。
「自分らしさ」って何だろう?

それを知るのに簡単な方法は、書くことです。
書いていれば「自分」がわかります。
「何に気付き、何に心を動かされ、何を書きたいと思ったのか」が「自分」です。
「自分」の興味を深く知ることで「自分らしさ」の糸口が見えてきます。
まずは、書けばいいのです。


4.自分自身が成長する。

1~3からわかるように、書くことを通して人は成長できます。
自分の強みや弱さを知ります。
弱点を知れば、強くなれます。
カバーする方法も発見できるかもしれません。

さらすばらしいことに、書けば書くほど文章は上達します。
単に文章力だけでなく、客観的な視点や論理的な思考も磨かれます。
つまり脳みそのエンジン自体がアップデートされるのです。
同じ題材にしても、より深く書くことができるようになります。
より分かりやすく書く技術を手に入れることができるようになります。
そこから横移動して、別の話題に展開することができるようになります。

文章が上達すると、また書きたくなります。
人は「自分」が成長すると、うれしくてうれしくてたまらない生き物です。
「もっと成長したい」とか「誰かの役に立ちたい」とか「喜んでほしい」とか。
「自分」の成長によって、社会が少しでもプラスになるような意識が働くようになります。


5.人とつながる

書いて、書いて、書いて、気付いて、教わって、成長して。
書くことによって、誰かの元にその文章が届くことがあります。
そこで、一人だけでなく、相手とのコミュニケーションが生まれます。

書くことが「自分の悩みを解決する方法」だけでなく、「誰かにとってうれしいこと」に変わっていく可能性があります。

とてもすばらしいことだと思います。


だから僕は、「書くこと」は超楽しいと思うのです。


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嶋津 / Dialogue designer
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。