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「在りたい自分」のつくり方

人の話を聴くことが好き。

どうやら、わたしは「おもしろい人の話を聴くこと」が好きみたいだ。“おもしろい”というのは、わたしの知らない世界を生きてきた人。ユニークな考え方、かけがえのない体験、思いもよらない発想、独創的な感性、その人が形にしてきた軌跡。異なる価値観に触れることがとにかく愉しい。

考えてみると、「人間」はおもしろい。

人間は機能も、習性も、感覚も、感情も似ている。神様からそう設計されたのだろう。ただ、一人として同じ人間はいない。かなり似ているのだけれど、全く違う。歴史を学んだり、心理学を学んだり、生物学を学んだりすると人間の“傾向”はなんとなくわかるのかもしれない。でも、それだけで決して「わかった」気になってはならない。それが一人ひとりを“個人”として尊重するということ。人類全般と、目の前の個人を、同一に考えてはならない。常識や先入観を脱ぐことは、相手に対する敬意でもある。

おもしろい人の話を聴くためにはどうすればいいのだろう。

それは、わたしが「おもしろい人」になること。「話してみたい」と思ってもらえる存在になること。かけがえのない体験を積み重ねこと。他の誰にも体現できない、“わたし”という世界を築くこと。つまり、例外的な存在になること。

“会いたい人”に会うために最速の道は、「会いたい」と思われる人になること。

人間は、感受性の装置。受け取る情報で、生み出す内容は変わる。簡単なことばに置き換えると、インプット次第でアウトプットは変わるということ。当然のことながら、情報は知識だけではない。五感を伴う体験すべてがインプット。朝飲んだコーヒー、冷たい風、飛び立つ鳥の羽ばたき、背広に染みた汗の臭い、街中の喧騒、肉まんの湯気、広告のコピー、恋人の吐息、ウェスアンダーソンの映画。その一つひとつを、人とは違う入力情報へ変えてゆく。あるいは、好きな人と同じ入力情報へと変えてみる。この感受性の装置に入力して、有機的な反応を愉しむ。

「在りたい自分」のつくり方。入力情報を取捨選択してゆく。惹かれるものは積極的に取り入れ、美意識にそぐわないものは遠ざけて。自分の意志で選び、自分だけの体験を蓄積してゆく。それだけで、表層に現れる内容が変わってくる。

さぁ、おもしろい人になろう。

おもしろ人の話を聴くために。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。