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「自分を知ること」で「相手を知りたい」 cotreeのコーチング

cotreeのひらやまさんからDMが届いた。内容は「コーチングを体験してみませんか?」という提案。

僕はひらやまさんのことを無条件に信頼している(実際にお会いしたことはないのだけれど)。SNSでの振る舞いや言葉遣いを見ているとわかる。「この人がすすめるものはきっといい」。〝コーチング〟が一体どういうものなのかわからなかったけれど、僕は受けてみることに決めた。


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1.はじめに

コーチングを受ける前に、アセスメントテストなるものを受ける。自分の性質を分析するためのアンケートのようなもの。メールで送られてきたURLをクリックして、制限時間内に当てはまる項目にチェックを入れていく。

全てのリストに答えるためには20分以上を要するのだが、途中で質問に答えているのが「リアルな自分」なのか、「願望の自分」なのかわからなくなってくる。例えば、「我慢強いタイプですか?」みたいな質問がきた時に、実際にそうなのか、「そういう自分でいたい」と思っているのかで若干迷いが生じる。全て主観だからどちらでもいいと思うのだけれど。改めて、「自分」を理解しようとすることは、自分ひとりでは難しいのだと気付く。


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2.コーチング開始

予約した日に、zoomというアプリでオンラインコーチングを受けた。僕の担当は徳田コーチ。言葉の一つひとつがていねいな、爽やかで聡明なナイスガイ。

「嶋津さんは、このコーチングを受けることによって、どのようなことを実現していきたいですか?」

そのようなことを聞かれた。僕は正直に答えた。

「〝コーチング〟がどのようなものなのかを知りたいです。あとは、自分自身のことを知りたいです」

徳田コーチは僕の話にじっくり耳を傾けて、その目的に向かって一緒に歩きはじめてくれた。どうやら、〝コーチング〟というのは、コーチから何かを教わるものではなく、自分自身で気付いていく作業のようだ。コーチは、そんな僕の心強いアシスタントとなり、心地良く誘導してくれる。


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3.意味づけ

60分という限られた時間であったが、僕は改めて「コーチングを通して何を実現したいのか」について考えてみた(これから受ける人は、事前にしっかりと考えていた方がいい。その方が密度の高いコーチングとなる)。

まずは自分自身のことが知りたかった。「自分」というのはわかっているようで、わかっていないものである。そして、自分の特性をどのように活かしていくことができるかについて助言がほしかった。

誰しも長所と短所を持っている。僕は短所を知りたかった。知った上で、その「足りない能力」によって、いかにコミュニケーションに活かせるかを見つけていきたかった。

20代の半ば頃までなら、「できないことができるようになりたい」と思っていたと思う。でも、30代を過ぎれば、短所の克服に対する関心は薄れていく。言い方を換えれば、そこに力を注ぐことは効率が悪い。例えば、数字の計算が得意な人が、今から数字に強くなる努力をするのは時間とエネルギーがもったいない(10代、20代ならまだしも)。それよりも、得意な人に任せる力を磨いた方が早い。そのために必要となる力。

自分が「できないこと」を相手に理解してもらって、力を貸してもらうためにはコミュニケーション能力や人間力が必要となる。むしろ、「能力としての弱み」があった方が、人を巻き込むことができる。つまり、使い方さえ修得すれば、短所は武器になるのだ。

「マイナスを克服するよりも、それを〝性質〟だと受け止め、別の解決策を練った方がクリエイティブな発想だと思うんです。そのためのコミュニケーション力を培うためには、自分自身の性質を知ることが大切になると思うんです」

はじまって30分くらいはそういう話をしていたと思う。徳田コーチは、適度に相槌を打ちながら、時折質問を投げかけ、僕の反応を観察しながら並走してくれた。いやはや、ナイスガイである。


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4.自分を知ること

そこから、事前に受けたテストの結果によって数値化された僕の「性質」をいろいろ教えてもらった。分析結果の読み方。それから、その傾向によって関わる人とはどのようなアプローチをとっていけばスムーズな関係性を築くことができるのか。

僕の関心は相手の心にあった。「僕」という人間の心を通して、相手の心を知りたい。それも摩擦の起こらない、なめらかな方法で、心と心を通じ合わせる。共感と想像をいかに育てていくか。

自分の長所は、誰かの短所をカバーするために使いたい。世の中が少しでも良くなるようにね。それだけでは大きなことはできないから、僕は今よりも多くの人を巻き込んで、素敵な世界をつくっていきたい。

ずっと思っていたことだけど、自分を知ることによって、より想いが強くなった。


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5.おわりに

これほど自分の「性質」を興味深く観察したことははじめての体験だった。さらに言えば、自分の短所についてこれほど興味深くディスカッションできたことに感動した。

文章をたくさん書くことで自分自身と向き合ってきたつもりでも、「知らない自分」や「潜在的な自分」がまだまだ存在しているのだということを知った。

徳田コーチは終始、僕の言葉よりも、僕の「想い」「感情」に注目している様子だった。はじまる前よりもプラスの状態になった僕を確認した段階になってようやくほっとした表情を見せた。忍耐強くこのコーチングの意味づけを促してくれた徳田コーチには感謝するばかりである。もう一度言う。ナイスガイである。

そして、この機会を与えてくれたcotreeのひらやまさん。心より感謝いたします。とても興味深い体験でした。





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