コア系の木材を使ったギターがいい感じ

 アコギのお店に行ったことがある人なら見たり聴いたりしたことがあるであろう、ローズウッドやらマホガニーやら、というのは木材の名前である。前者を使った代表的なギターがMartin D-28、後者はGibson J-45である。ローズウッドをボディで使うと、全音域がバランスよく出つつ、中音域が控えめになるような音が出る。マホガニーをボディで使うと、ローズウッドに比べて中音域がしっかり出るようになり、温かみのあるサウンドになる。というのが私の見解。

 アコギ店員になりさまざまな木材のギターを聴いていく中で、面白いと思ったのはコア系の木材を使ったギターだ。コアはウクレレでよく使われる木材で、見た目はマホガニーっぽく、渋い焦げ茶をしている。音の特性もマホガニーに似ているのだが、音の重心がマホガニーより高い。よくよく考えれば、ウクレレで使われているのだから、ウクレレの低音がしっかり鳴る木材ということだ。ウクレレはアコギに比べて全体的に音が高く、それをアコギで使っているのだから、音の重心が高くなるのも納得だ。だが、低音が出ないということはなく、高音の煌びやかさはマホガニーに近いため、全体的にバランスの良い音に仕上がる。なかなか面白い木材だ。

 数年前までJ-45を使っていたのだが、ストロークをしたときに出すぎる低音に負けないように、少し頑張って歌わなければいけない感じがしていた。肌感覚でそう感じていたのでかなり優しくストロークしていたと思うが、ライブハウスでやるとスタッフさんにいつも「もっと強く弾いた方がいい」と言われていた。そのモヤモヤもあって今はミニギターで作曲やライブを行なっているのだが、流石にちゃんとした大きさのギターも一本持っておきたい。新しいメーカーも出てくる中で、どの一本を選べばいいのか。来てくれたお客さんと一緒に試行錯誤しながら考えたいと思っている。

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