ナイト・オン・ザ・プラネット
映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」
1991年のアメリカ映画です。
監督はジム・ジャームッシュですね。1980年にインディーズ界からデビュー以来、アメリカ映画の底流を生きる監督ですよね。
物語は、5つの都市が舞台です。
ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという国も違う場所が舞台なんですね。
異なる場所でおこる、同じ日のある一夜の物語をオムニバス形式で描いていきます。
5つの都市、5つの物語が展開されるんですが、共通してるのはタクシー運転手とそのタクシーに乗ってくる客との物語なんですね。
タクシー運転手って考えてみると奇妙な職業ですよね。
今日初めて会う人と狭い密室のなかでふたりきりになるんですよ。
そこにはいろんなドラマがあるんですね。ましてや、国、人種が違えばいっそうドラマが生まれる。
監督の5つの小噺が幕をあけます。
最初はロサンゼルス編。
若い女の子が運転手なんです。ひとりの中年の女性を乗せるんですね。
女の子、耳にタバコをはさみ、時折窓から外に向かってマナーの悪い同業者に叫んだりする。
この女の子をウィノナ・ライダーが演じてます。
両手ハサミの映画「シザーハンズ」でヒロインを演じてました。
ジム・ジャームッシュや、ティム・バートンといった作家性の強い監督に愛される女優ですよね。
そして、中年の女性をジーナ・ローランズが演じてます。
若くして亡くなった元祖インディーズ映画の父、ジョン・カサヴェテスを夫にもつ女優です。
ジョン・カサヴェテス監督の作品にはニューヨークの夜がよく出てきましたよね。時がたち、今度はカサヴェテス監督の意思を受け継ぐジム・ジャームッシュ監督のロサンゼルスの夜にジーナ・ローランズが現れるんですね。
他に1998年の「ライフ・イズ・ビューティフル」で監督、脚本、主演をし、世界中にその名をひろめたイタリアの俳優ロベルト・ベニーニがでてきたり、
名優アーミン・ミューラー=スタールがでてきます。
また、音楽をトム・ウェイツが担当してます。
俳優としてもジャームッシュ監督と多くの仕事をしてますね。メジャーに属さず独自の道を歩むふたり、共鳴するものがあるのでしょうね。
ジャームッシュ監督、ハリウッドで自分のやりたい作品を撮り続けることができる数少ない監督ですよね。
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