見出し画像

【常識を破壊したい】24歳の鍼灸師が会社を立てた話

2021年6月2日付けで株式会社New Conditioningを設立しました。


多方面からDMやラインなどでお祝いの言葉をいただき嬉しい気持ちでいっぱいです。

弊社は「すべての人にヘルスケアを届ける」というビジョンを掲げています。

どこに住んでいても、どこで働いていても、何歳になっても同じように健康な状態でいて欲しいという想いがあります。

事業はヘルスケ事業「Trainer Room」web事業「New Sight」の2つです。

「Trainer Room」はオフィスの一角をジムにするをコンセプトに、オフィスの空きスペースをジムにし福利厚生として従業員がパーソナルトレーナーによるトレーニングが受けれるというサービスです。

デスクワーク、テレワークによりビジネスパーソンの体はかなり悪くなっています。
ストレートネットやヘルニアを抱えている方も少なくありません。

仕事で体を酷使している分、ケアや運動でより健康な体を作っていく必要があります。

オフィスにジムを作ることで隙間時間、仕事終わりに移動にかかるコスト0でトレーニングを受けることが可能です。

スクリーンショット 2021-06-28 17.03.34


「New Sight」は見える景色を新しくとをコンセプトとしており、クリニックや整骨院、フィットネスジムなどのヘルスケア事業者ホームページを制作するサービスです。

webというフィールドを持つだけで認知される窓口が格段に飛躍します。
近年SNSマーケやSEO、MEOなどが流行っており、HPを持つ重要性を語る方は減っています。

なぜらな持っているのが当たり前だから

会社を立てる手続きの中で「ホームページの有無」という欄を何回も見ました。
事業をやる上でホームページを持っているのは当たり前で名刺代わりになっている。

webを駆使するヘルスケア事業者が増えれば、間接的に「すべての人にヘルスケアを届ける」に繋がると考え、このweb事業を展開しています。

スクリーンショット 2021-06-28 17.03.05

スクリーンショット 2021-06-28 1.56.23

スクリーンショット 2021-06-27 12.13.01


会社についてはここまで。

今回書くのは「鍼灸師」と「その業界の常識」について。

僕は鍼灸師養成大学卒業後、フリーランスとして2年間活動し、会社を立てました。

普通から少し外れたキャリアを歩んでいる根底には「鍼灸業界の不変的な常識」を問題視する気持ちがあるためです。

この記事は「代表取締役 石田涼太郎」

ではなく

「鍼灸師 石田涼太郎」

として書きます。

少し長くなりますが最後まで読んでいただけると嬉しいです。


「鍼灸師は鍼灸整骨院に進む」という常識を破壊したい

鍼灸師を養成する大学、専門学校のパンフレットに「令和○年度卒業生進路状況」というページがあると思います。

そのページを見てみると90%が鍼灸整骨院又は医療機関。

・〇〇鍼灸院
・△△整骨院
・□□鍼灸整骨院
etc...

この中に鍼灸整骨院が並ぶ中に所々スポーツジムや機器メーカーなどが入ってくる。

これを見てどう思いますか?

「鍼灸師になるために学校行ってるんだから当たり前でしょ笑」

という声が挙がるはずです。

そう当たり前なんです。
鍼灸師なんだから鍼灸院、整骨院に勤めるのは当たり前。

だからこそ破壊しないといけない。

僕自身、鍼灸師という資格を持っていてよかったと思っています。
2年間スポーツトレーナーとして活動できたし、「鍼灸師です」という挨拶をするだけで少しは信頼してもらえる。

4年間かけて取得したことに後悔は全くないし、素晴らしい職業です。

しかし、少し古すぎる。そして狭すぎる。

進路の少なさは「視野の狭さ」「思考の狭さ」「学びの少なさ」と比例すると考えています。

上層部で会議しても集客などの課題を打破する発想、施策は出にくい。

結果として流行りの「美容鍼灸」「パーソナルトレーニング」を自費プログラムとして打ち出す。
しかしうまくいかない。

僕が言いたいのは「他の業界を見てほしい」ということ。

鍼灸整骨院で学べることは多い。

治療のスキルから患者さんへの対応、人によっては院長や管理者まで上り詰め、マネジメント側のスキルも身に付く。

しかし鍼灸師だから卒業後、鍼灸整骨院に進まなければならないというわけではない。

全く異なる業界に入り、その後に鍼灸整骨院へ進むという選択肢があってもいいと思っています。
むしろ異なる業界からセールス、マーケティング、カスタマーサービスなど学び、鍼灸業界に持って帰ってきてもらえれば新しい働き方、イノベーションが生まれるかもしれない。

僕が2年間活動したフリーランスと言う働き方、そして会社の設立とい選択肢もあっていいと思う。

少し外れたキャリアを歩んでいる理由の1つはこの常識を破壊し、「こういう働き方もあるんだ」と知って欲しいからです。


「年収ランキング301位」からの逆襲

マイナビ転職が作成している【全309職種 ]2021年版 職種別 モデル年収平均ランキング】を見ていだきたい。

スクリーンショット 2021-06-28 19.08.14

鍼灸師は309職業中301位
※2019.2020年度は最下位

という結果。

さてこれを見てどう思いますか?
業界内の方からしたら「まあそんなもんか」となるかもしれません。

ただこの事実を業界外の方に伝えると、
「え、そんなに低いんですか!もっと高いと思っていました。」
と言われることがよくあります。

鍼灸整骨院の多くは保険を使うことができ、患者さんは自己負担額数百円で施術を受けることができる。

ちなみに僕が通っていた鍼灸整骨院では230円でした。

圧倒的に安く、しかも低周波治療、超音波、ストレッチ、リラクゼーション(ほぼマッサージ)を受けることができるし、その保険内で鍼灸治療が受けれるところも(これはグレーというかブラック)。

ここで少し鍼灸整骨院の経営状態を分解してみましょう。

鍼灸整骨院の規模は大体10床程度で、患者さん1人あたりの単価は1000円(保保険適用前)で1時間ぐらい要する。
営業時間は9:00-21:00の12時間、営業日は月26日間と仮定し最大売上を算出してみる。

※協会からの療養費支給を入れると複雑化するためなしとする

名称未設定.001

となる。
最大売上でこの数字。

めちゃくちゃ低いわけではないと思う。
ただ稼働時間を見て欲しい。
朝から晩まで開けている。

鍼灸整骨院によっては昼にから夕方の間2.3時間閉めることもあるので、その場合最大売上はもっと低くなる。

そしてここに経費がかかる。

人件費1,600,000円/月(200,000円×8人)
テナント費400,000円/月(10床程度の規模)

ここだけで2,000,000円/月の固定費がかかっている。
さらに消耗品費、衛生管理費、水道光熱費、衛生材料費、リース料などが入り、2,500,000円/月程度。

最大売上からこれら経費を引くと最大利益が算出できる。

3,120,000円/月-2,500,000円/月=620,000円/月

最大利益です。

26日間、12時間ベッドが埋まり続けてこれです。
現実的にベッドが埋まり続ける可能性は低いので売上はこれより下回るケースが多いと思います。

僕が実習でお世話になった整骨院は2,200,000円/月の売上でした。
人件費で半分以上消えて、残る利益は100,000-200,000円/月とのことでした。

「給料低いから上げて欲しい」と言う鍼灸師さん。

物理的に給料を上げることは厳しいんです。
鍼灸整骨院側もかなりカツカツの状態でやっています。
意地悪しているわけではありません(たぶん…)。

こうして1つ1つの要素を分解、仮説立てして組み立てると経営状態の把握ができ、年収ランキング309職業中301位にも納得できます。

注)これらは全て仮説です。
仮説であるため「もっと低くできる」「そんなにかからない」という言葉は受け付けません、ごめんなさい。

前置きがかなり長くなりましたが、これが鍼灸師の現状です。

僕はそんな現状から逆襲したい。
もっと鍼灸の市場規模を拡大したい。

鍼灸整骨院という働く場所だけではなく、視野を広くして雇用の受け皿を作っていかないといけない。

弊社の「Trainer room」は新たな雇用を生むサービスの1つで、働く場所が増えれば、鍼灸師が活躍できる場が増える。

そのためには鍼灸師自身が「はり、きゅう」「治療」以外にできることを今一度考える必要がある。

僕は鍼灸師でありながら治療をすることが少なくなった。
3月までは週3.4治療に携わっていたが、会社を立てると決めてからは身内に治療するぐらい。

「そんな奴が鍼灸師なのるな!」とお叱りを受けるかもしれませんが、僕は鍼灸師を名乗り続けます。

大学4年間通って国家試験の勉強をして取得した正真正銘の鍼灸師です。
「鍼灸師は治療する」という前提だけで話すと僕は鍼灸師ではないと思います。

ただそんな前提何年も前の話。

リラクゼーション市場、フィットネス市場の拡大に伴い鍼灸師の働き方はもっと、もっと多角化していかなければならない。

鍼灸整骨院に勤めて、ダイレクトに患者さんの治療を行うこ以外にも働き方はあっていい。

鍼灸師の価値を上げ多角的な働き方を見いだして行けるのは、僕たち当事者のみです。

鍼灸師さん、医療従事者さんへ


僕は鍼灸整骨院に進むことが反対というわけではありません。
むしろ良い進路だと思っています。

ただもう少し視野広げてもいいんじゃない?と言いたいだけです。

ありがたいことにSNSのおかげでたくさんの方と繋がれる時代です。

鍼灸師、そして柔道整復師、理学療法士などの医療従事者さんに少しでも発信を届けたい。

石田という人間の発信が及ぼす影響なんて0.000000001%ぐらいかもしれない。

それでも影響を与えれるのであれば発信を続ける。

「こういう道もあるんだ」

という気持ちを抱いていただければ嬉しいです。

患者さんに治療をすることはとても素晴らしいです。
でも他にも鍼灸師は活躍できるフィールドはあるはずです。

常識を疑い、新しい鍼灸師としての働き方を一緒に作り出していきませんか?

共感いただいた方は是非ご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

■Twitter
https://twitter.com/ryotaro_09


Athletics Innovator's Community代表 |アスリートが競技に集中できる環境を作ります。